「アルカトラズ島」サンフランシスコ観光で必見!脱獄不可能な監獄の島

「アルカトラズ島」サンフランシスコ観光で必見!脱獄不可能な監獄の島

アメリカ西海岸を代表する都市「サンフランシスコ」は、世界中からの観光客で賑わう。見どころはたくさんあるが、特に人気を集めている変わった場所がある。それは、全体がかつて刑務所となっていた離島「アルカトラズ島」である。映画でも取り上げられ、多くの人を惹きつける、この島の内容について紹介する。

孤島全体が刑務所!サンフランシスコの名所「アルカトラズ島」

アルカトラズ島

アメリカ合衆国・カリフォルニア州に、サンフランシスコという都市があり、その都市の近くにある、サンフランシスコ湾に浮かぶ無人の小さな島で、面積は、0.076㎦といった小さな規模だ。昔は海を照らす灯台、軍事施設、連邦刑務所として使われたが、今はサンフランシスコを代表する観光の目玉となった。

サンフランシスコ本土と比べると、かなり小さいことがわかる

地図でどこの位置にあるのか確認してみると、よほど拡大しないとどの位置にあるのか全くわからないほど、アルカトラズ島は小さいことがわかる。ちなみに島全体が断崖絶壁で、刑務所となっていたことから、別名「ザ・ロック」「監獄島」「悪魔島」などと呼ばれている。

出典:route66oudan.com

アメリカ屈指のギャングである、アル・カポネも収監されていた

シカゴのホテルで組織を作り上げ、密造酒製造・販売、売春業、賭博業といった法に触れる悪事を繰り返し、犯罪組織を統合近代化したことで有名なギャング。当然逮捕されてアルカトラズ刑務所に服役することになるが、梅毒に罹患してあっけなくこの世を去ったのだ。

なぜこのような監獄の孤島が誕生したのか、その謎に迫る!

写真:現在のサンフランシスコ湾

1775年、サンフランシスコ湾を訪れたスペイン人探検家が、本土よりもはるかに小さな島を発見。そしてスペイン語で「ペリカンの島」という意味の、「アルカトラズ島」と命名し、この島の歴史が始まった。

出典:www.pennlive.com

戦争の時代に突入して、軍事刑務所となった

戦争の時代になると、この島には陸軍による砦の建築が始まり、捕虜を収容する施設が造られた。1865年に、正式に軍事刑務所となった。そこにはたくさんの囚人が収監された。中には、戦犯容疑で、ドイツの総領事フランツ・ポップが収容されたこともあった。何人もの受刑者が、脱獄を試みた。だけどこの厳しい環境にある刑務所から脱出できたものは一人もいないと強く語られているが、なんと成功した受刑者がいるらしい。

出典:www.nytimes.com

連邦刑務所

1933年、島の管轄が司法省に移ったことで、アルカトラズ島は連邦政府が運営する連邦刑務所となる。なお、収容されたのは、脱獄の常習や、凶悪な犯罪を犯した重罪犯がほとんどだった。

そして現在は、多くの人が訪れる有名な観光地に

1963年、連邦刑務所としての役割は終わり、刑務所は閉鎖となった。そして現在、サンフランシスコ行政によって、この島は観光地として開発が進み、現在に至る。

いざ島に上陸!ミステリアスな見どころをたくさん観光しよう!

出典:www.sftodo.com

船着場とドック

船着場は今、観光客を運ぶ船の発着場となっているが、入所する囚人を護送する船が到着していた場所。桟橋を渡って、この島に降りる。
ドックは、かつて陸軍兵舎だったが、島に上陸した観光客への簡単な説明を行う場所として使われ、書店やお土産屋としてもある。

出典:www.flickr.com

衛兵所

島の中で一番古い建物である兵舎。
幅が45mもある堀による防衛が、兵士たちを守った。

出典:www.flickr.com

ミリタリーチャペル

「チャペル」というから、礼拝を行う場所と思うかもしれないが、かつては住居や学校として使われ、連邦刑務所が成立すると、刑務官(看守)の家となった。ちなみに名前の由来は、見た目が結婚式で使われるチャペルのように美しいからである。

雑貨店

元々は軍人のための雑貨屋だったが、連邦刑務所の刑務官とその家族の娯楽施設に変わった。今は、残念ながら何も売られていない。

刑務所長邸

看守の中で最高の地位に当たる、刑務所長の家。
火災によって壁と骨組だけになってしまったが、島全体を見下ろせる位置にあり、サンフランシスコの夜景も一望できる邸宅。

灯台

この島からサンフランシスコへ向かう船が迷子にならないように、海を照らす灯台。高さは、約25mある。今でもアメリカ沿岸を安全に渡航できるように、海に光を渡している。

刑務所(セルハウス)

肝心の見どころは、何といっても刑務所そのものである。建物は鉄筋コンクリート製で、1576人もの囚人を収容した。所内の部屋は、ほとんど独居房だったので、「セルハウス」というあだ名がついた。
※ちなみにセル(cell)とは、英語で細胞という意味である。

独房

ここから先は誰もが疑問に思う、刑務所の中の見学を行う。部屋は普通の部屋と、凶悪犯を収容する部屋があり、1部屋につき、ベッド・トイレ・洗面台が付いている。なお、日本の刑務所のように、複数の囚人で暮らす雑居房はない。ちなみに広さは、幅1.5m、奥行きは2mである。

出典:www.flickr.com

懲罰房

どこの刑務所にも当たり前にある、規則違反をしたり暴れたりした受刑者を収容して反省させる懲罰房。ここにも外の景色を見渡せる窓は付いておらず、懲罰時間は丸1日使うこともあった。

出典:mikissh.com

シャワールーム

ここもアルカトラズ刑務所観光で必ず訪れる名所。いくつもの枝分かれしたシャワーから水が出て、体の汚れを落とすという仕組みになっている。そして現在は各言語に対応したオーディオガイドを配る場所となっているのだ。

保健室

またの名を「医務室」とも言う、体調が悪くなったり病気やケガを負った受刑者を看護する設備。もちろんここにも看守の見張りがあって、本物の医者がいた。

出典:www.nps.gov

ブロードウェイ

ニューヨークにあるような賑やかな通り道ではなく、連なる独房同士の間に広がる通路で、看守が見回りで通った道でもある。

有名な囚人

さらに刑務所内には、服役中に鳥の研究などを行って有名になった囚人や、世間を騒がせた有名な重罪犯の写真を展示してある。

ガンギャラリー(監視用バルコニー)

2階の独房を見渡せる場所に、バルコニーがある。ここでは銃を持った看守による厳しい見張りが行われた。

食堂

一見、食事を美味しく食べるような場所のように見えるが、結構危険な場所でもあるのだ。万が一の時に備え、天井には暴動を鎮める装置があり、調理に使う包丁などを持ち出されないように出入り口には金属探知機も設置してある。

図書館

囚人は、息抜きのために読書をしていた。しかし、図書館の利用を許されたのは規則に従って生活していた模範囚のみだった。

出典:www.flickr.com

看守のオフィス

看守だけが集まり、これからの執務などを行う部屋。ここの窓から、サンフランシスコの景色を一望できる。ちなみにアメリカでは、刑務所に従事する看守のことを「ポリス」または「オフィサー」と呼ぶ。

島の観光を楽しむ前に、この映画を見て予習!

アルカトラズからの脱出 ESCAPE FROM ALCATRAZ

アルカトラズ島が舞台となった映画は、いくつかあるが、とくに有名なのがこの作品である。この刑務所に服役している主人公は、仲間二人と手を組み、知恵を絞って脱獄を考え決行した。という内容の、実際に起こった脱獄を基に作られた映画。主人公が脱獄に成功したのか失敗したのかは、自分の目で確かめて。

ザ・ロック

これもアルカトラズ島が舞台となった映画で、その内容は脱獄ではなく、過激派との戦いである。過激派が、多くの観光客と共にアルカトラズ島に立てこもり、アメリカ政府に1億ドルの要求を突きつけた。この事件にFBIの化学専門家と、かつてアルカトラズ島の脱獄に成功したという二人の男が立ち向かった!

告発

1995年に公開された映画・告発は、アルカトラズ連邦刑務所で行われていた過剰な虐待を告発し、同刑務所を閉鎖に追い込んだ実話を基にして製作された映画である。もちろん脱獄の要素も取り入れられていて、正義の弁護士も登場するので、非常に見ごたえがある。

興味深い島・アルカトラズ島ツアーで抑えておきたい注意点

出典:www.ziare.com

一般の観光客向けに、ツアーも実施されている

アルカトラズ島は、行きたいけれどどうやって行けばよいのかわからないという人も多い。そんな時はあらかじめ組み立てられているツアーで訪れてみるとよい。なお、料金はツアーによって異なり、往復の船代と日本語で解説してくれるオーディオガイドの料金も含まれている。

写真:アルカトラズ島へのチケット

サンフランシスコで有名な観光名所だけあって、地元の客や他国の観光客で混雑していることが多い。
なので、原則として予約が必要。予約はインターネット上で可能である。

オーディオガイドも貸してくれる

せっかく訪れても、現地の言葉による説明がわからなければ意味がない。そのために、各言語に対応した、ヘッドホン付きのオーディオガイドを貸しているサービスを行っている。

島へ直行するフェリーが出ている

サンフランシスコの港から、アルカトラズ島へ向かうフェリーが出ていて、途中でどこにも止まらずに、大体20分くらいでたどり着ける。海を伝って目的の地へたどり着くのは、非常にワクワクする。

日差しが強いので、日焼け止めなどの対策をしておくこと

アルカトラズ島は日影や日光を遮る建物が少なく、日差しが強い場合があるのでその対策(日焼け止め・サングラス・帽子など)を忘れず。そして長袖で訪れた方が望ましい。

出典:www.kubi.co.uk

持っていく荷物は、必要最低限に留めること

さらに島には、大きな荷物は持ち込めない。カメラや地図、財布や飲み物と言った必要なものだけカバンに納めて観光すること。さらに観光に当たっては島や施設を傷つけたり、ドッグ以外での飲食・喫煙は厳禁である。

出典:mikissh.com

刑務所内で囚人が使っていた食器は、複製されてお土産になっている

食事を盛り付ける時に使われていた囚人用の食器は、基本的に割れにくい金属製となっている。そしてアルカトラズ刑務所が閉鎖された後でも、当時使われていた食器の複製が登場して、お土産として販売されているのだ。


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