ランタンが夜空を舞うタイのコムローイ祭りまとめ

コムローイの様子を一言で説明すると暗い夜空にたくさんの明かりが輝く

コムローイとは、タイの北にある都市・チェンマイの１１月の満月の夜に行われるお祭りである。具体的にどんなことが行われるかと言うと、歌や踊りなどの芸能はなく、夜空に小さな気球のような灯籠（ランタン）を浮かべる。そしてランタン１つ１つには、浮かべた人の強い願いが込められている。

祭りが毎年行われる場所は神聖な遺跡が集まったタイのチェンマイ

チェンマイとは寺院や仏塔、大きな仏像などが並んでいる、タイ北部にある都市で、毎年たくさんの観光客が訪れている。さらにここは首都バンコクから北へ約７２０mに位置する。

元々はタイ王国に深く馴染んでいる仏陀への深い敬意を表す式典だった

皆さんもご存じの通り、タイでは仏教を深く信仰していて、僧侶、数多くの仏像へ敬意を示している。今回紹介する「コムローイ」でも、小さな気球のようなランタンを空にたくさん浮かべて、仏陀への敬虔な思いを馳せる。灯りが消える頃には、個人それぞれが抱えている悩みや煩わしさが消えているとも言われている。

祭りを始める前はたくさんの僧侶が祈りを捧げて準備を行っている

炎を灯した、気球のようなランタンを浮かべる前に、やらなくてはいけないことがある。それはタイ国内でとても敬われている僧侶が専用の祭壇に集まって、聖なる祈り、念仏を唱えることだ。これが完了すると、やっと待ちに待ったコムローイが始まる。

こちらは小さな気球のような構造のランタンに火を灯している様子

参加している一人一人が、気球のようなランタンに火を灯している。火は炎となり幻想的な光を灯すので、この時点から、既に素敵な光景である。

もちろん祭りの最には仏教で欠かせない僧侶も参加することも忘れずに

すっかり周りが暗くなって、いよいよ気球を浮かべる時にも僧侶は付きっきりとなる。このことから、さすがコムローイは神聖なお祭りだということが伺える。

浮かび上がったランタンは広い範囲の水面（みなも）に映ってより美しい

大きな池の上で、いくつものランタンが浮かび上がるとその美しさは水面にも現れる。まるで天と地に暖かな光が灯っていて、日常の煩わしさを忘れられそう。

いくつものランタンが夜空に浮かぶだけで私たちの心が明るくなる

数えきれないくらいあるランタンが、何も見えないくらいに真っ暗な夜空を照らし、浮かべた私たちに希望の光を与えているように見える。

これはもはや日常の世界ではないということがじっくりと味わえる

じっくりとこの光景を見ている者は、うっとりと陶酔すること間違いなし。そしてもう煩わしい日常生活に戻りたくなくなる。

ランタンよ天まで上がって私たちの祈りを届けてという思いが込められていそう

空にあげるのはランタンだけではなく、火を付けた人の願いも含まれる。その願いは仕事で成功を収めたい、家族が健康で過ごせるようにしたいなど、それぞれだが、せっかくの機会なのでお願いごとを込めても構わない。

ランタンがこんなにだんだん上昇するとまるできれいな星空のように見える

ここまで上昇したら、まるで星が輝く夜空のようにも見える。さらにこの光景は宇宙でしか見られない銀河や、七夕の天の川が流れているようにも見える。

写真に収めておきたくなるように素晴らしいずーっと見てても飽きない光景

暗い夜空に暖かな光は、すごく映える。だからこれはしっかりと撮影できるカメラで記念に残しておきたい。

この光の光景はいかにも暖かさ・安らぎ・温もりが伝わってくる・・・

何度も説明したように、暗い夜空に浮かび上がった気球のようなランタンからは、電気の光では味わえないような、温かさ、安らぎ、そして温もりがひしひしと伝わってくる。

コムローイ祭りの終盤にさしかかると締めくくりとして花火が上がる

この祭りをさらに盛り上げてくれるのが、空に放たれるカラフルな花火だ。花火は、コムローイの終わり頃に打ち上げられて、もちろんカラフルな色彩があるので、締めくくりにふさわしい。

たくさんの人を乗せて運ぶことができるタイ独自のタクシー・ソンテウ

日本では全く見られない珍しい形をしているが、タイではよく見かけるタクシー。形状はもちろん、多くの人を乗せて運べるのも特徴となっていて、地元の人や、バックパッカーが主に利用する。

さらにテンソウはこの乗り物ならではのメリットも詰まっているのだ

ソンテウは、基本的に乗り合いなので料金が安い。そして、一緒に乗った現地の人とも交流ができる。さらに、コムローイの日には、この緑色のソンテウが会場まで運んでくれることもあるのだ。

紙でできた「気嚢（きのう）」を思いっきり広げて

参加している僧侶のありがたいお経が終わった後、アナウンスが流れる。それと同時にみんな一斉に、気嚢の下にある固形燃料に炎を灯す。そうすると、気嚢に温かい空気が溜まり、ゆっくりと浮かび上がるようになる。

もちろん僧侶だって肝心のランタン灯火に協力して空に浮かべるのだ

僧侶が灯したランタンには、いかにも強い念仏が込められていそうだ。これによってすべての人が健康で過ごせられたら、もう何の文句もない。

炎を灯して準備が整ったらそしていよいよ合図とともに広い夜空へ浮かべる

みんなそれぞれ願いを込めて、ランタンを膨張させたあと、再びアナウンスが流れるので、それと同時に空へ浮かび上がらせる。

参加者や僧侶たちの協力によってこうして素晴らしい光景が誕生する

一人一人の願いが込められたように膨らんだランタンは、真っ暗な夜空を明るく照らす。これらはもはやただの炎ではなく、きらめく希望の光に見える。こうして、タイを象徴する、忘れられない祭日の歴史が作られていくのである。

またの名をイーペン・ランナー・インターナショナルとも言う、メージョー大学

タイのチェンマイ県にあるメージョ大学は、キャンバスの中にいくつもの花が咲いていて、建物もびしっと整っているが、実はこれまで述べてきた素晴らしい祭典・コムローイの会場でもあるのだ。夜になってランタンが打ち上げられると、キャンバスがさらに素晴らしくなること間違いなし。

のどかな牧草地が広がっている、カウボーイ　アーミー　ライディング　クラブ

どこまでも広がる緑の牧草の大地には、馬や牛などの動物が暮らしていて、いかにものどかな光景に見える牧場でも、コムローイ祭りは行われる。昼間はのどかな牧場なのに、夜になっていくつものランタンが打ち上げられると、同じ場所とは思えなくなる。

チェンマイから南に36㎞進んだ所にある、ドイティ寺院

コムローイの主な開催地・チェンマイから南に36㎞進んだ所にあるドイティ寺院は、巨大な黄金の仏像が飾られているのが特徴である。だからここでも温かい光が打ちあがる神聖な祭りをしても悪くない。

チェンマイの中にある郡・メーリムでも開かれる

こちらは、チェンマイから北に20㎞進んだ所にある会場で、緑の芝生や木々が目印となっている。祭り当日は、太陽が徐々に沈んできた頃に人が集まって、木に飾った提灯（ちょうちん）に明かりが灯り、僧侶による祈りと黙祷が捧げられ、そこから火を点けたランタンを打ち上げる。