不思議な習性と奇妙な体を持つ世界の珍しい昆虫特集!

不思議な習性と奇妙な体を持つ世界の珍しい昆虫特集!

子供の頃は昆虫採集によく出かけていて、昆虫に詳しかったという方は、世界中で発見された摩訶不思議な昆虫をご存じだろうか。それらは姿や形が珍しいだけではなく、その昆虫にしかない習性を使って、自然の中を生き抜いているのだ。

2019.12.6 UPDATE

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美しかったり変わった特徴があったり…世界中に生息する珍しい昆虫を大紹介!

手のひらに乗るくらいの大きさを持つコオロギ・ジャイアントウェタ

南半球で見られる、世界一巨大な昆虫。重さはハツカネズミ3匹分で羽を広げると20センチ以上にも達すると言われている。そしてただ大きいだけではなく植物の実を種ごと食べて、その種を排泄することで、植物の繁殖の手助けを行っているのだ。

ヘラクレスオオカブトにも負けないくらいの大きさを持つゾウカブトムシ

カブトムシの中で最も大きいと言われていて、木にしがみつく力も強い。だけど他のカブトムシのような闘争心はあまりない。これほど立派なカブトムシは日本では全く見られないので、非常に希少価値も高い。

北アメリカの地方に幅広く生息している大きな蛾・セクロピアサン

鮮やかな色彩の翅(はね)を持つ、ヤママユガの一種。自ら病原菌に耐えられる抗生物質を作り出すので、細菌に感染しても安心である。そして幼虫の頃から色鮮やかな体を持っているのだ。

昆虫の中で一番の重さを誇っているゴライアスオオツノハナムグリ

アフリカ大陸に生息する、大型のハナムグリ。体長は最も大きいもので100ミリ以上もあって、オスとメスで頭部の様子や模様が異なる。そして忘れてはならないのが、世界中の昆虫の中で最も重いということである。

出典:www.flickr.com

きれいなランの花のように見えるハナカマキリは擬態の能力がある

一見美しく咲いているラン科の花のように見えるが、これでも立派なカマキリなのである。擬態の能力を持っているので、主に花に棲んでいて、そこに近づいた昆虫たちを食べている。

オーストラリアの大地に生息していて甘い蜜を貯めているミツツボアリ

英語では「ハニーアント」と呼ばれている、腹の部分に甘い蜜を蓄えたアリ。主にオーストラリアに生息していて、先住民・アボリジニーたちの食料ともなっていた。ちなみにその蜜は、アリ自身が厳しい環境を生き抜くために編み出された知恵とも言われている。

地面に落ちた枯葉に見せかけて敵から身を守るムラサキシャチホコ

一見地面に落ちた枯葉のように見えるが、よく見てみると、立派な昆虫となっている。羽を広げると空も飛べる蛾になって、擬態によって敵から身を守るという習性がある。こんなに葉っぱそっくりに似せることができるなんて、他ではなかなか見かけない。

ガラスのように透き通って見える翅を持つオオミズアオはなかなか麗しい

これもチョウ目、ヤママユガ科に分類される蛾の1種。日本や朝鮮半島、中国、ロシアに分布していて、透き通っているような青い翅をもっているのが特徴。そして現在ではあまり見かけなくなってしまって、絶滅危惧種に分類されているのだ。

優れた飛翔能力を持っていて適応力も高い水生昆虫・ミズカマキリ

アメンボのように水面をすいすいと渡ることできる。カマキリという名前だが、実はカメムシ目・タイコウチ科に分類されている。そしてエサは昆虫や小魚などを食べているので、肉食としても知られている。

大きくて鮮やかな模様がある翅を持つ素晴らしきニシキオオツバメガ

世界で最も美しい蛾と評価されている、チョウ目ツバメガ科のガの一種。主にマダガスカル島に生息していて、石灰岩のカルスト地帯まで移動することもある。こんなにきれいな翅を持っているなら、蛾というより蝶という名前がふさわしい。

木の枝に似せて敵から身を守る特徴があるナナフシも珍しい昆虫に該当する

木の枝のように体が細くて、中には写真のように美しい色もある昆虫。卵は色んな種類があって、これによく似ているナナフシモドキもいる。そして肝心なのが、木の枝に似せて敵から身を守るということである。

出典:morpho.co

この世のものとは思えないくらいの美しさを誇る蝶・ヘレナモルフォ

思わず息をのむような美しい翅をもつ、貴重な蝶。そしてこれも分類されるモルフォチョウの仲間たちは80種類もいて、北アメリカ南部から南アメリカにかけて生息している。これは是非とも標本に取り入れたい。

赤い翅と青い翅を併せ持つことで有名なクラウディナミイロタテハ

中南米に生息している、タテハチョウ科フタオチョウ亜科に分類されるチョウの1属。赤と青の翅が印象的で、翅を思いっきり広げると80ミリ以上にもなる。これも世界で美しいチョウに分類されること間違いなし。

まるで派手な色の絵の具を塗られたような見栄えとなっているトウワタイナゴ

アフリカに生息している、7つの色を持つイナゴ。どうしてこのような色になったのかというと、花と実に毒性がある植物を食べているからこうなったのである。そして外敵に襲われると、蓄えた毒を出して追い払う。

出典:www.flickr.com

光が当たると輝いて見えるケンランカマキリも滅多に見かけない昆虫だ

玉虫のような光沢と色を持っている、美しいカマキリ。主にマレーシアにたくさん生息していて、カマキリの中で一番美しいと称えられている。そして習性だって通常のカマキリとは全然異なっている。

出典:www.flickr.com

プリンターインクでよく見かけるマゼンダ色をしているベニトンボ

日本に生息する「アキアカネ」とは少し異なる、マゼンダのような赤色を持っているトンボ。台湾や中国、東南アジアなどでよく見られて、棒の先端によく止まるという習性がある。そしてこれは、日本の名曲「赤とんぼ」にもふさわしいトンボと言える。

真っ黒な翅と細くて少し長い体を持つハグロトンボは川辺の宝石と言われている

今度は、羽が少し大きくて黒くなっている、この「ハグロトンボ」を紹介する。東アジアや北米、さらには日本の緩やかな川に生息していることが多い。そして気になる全長は、53ミリから68ミリである。

斑紋という模様が一切ないキイロテントウはなかなかかわいい昆虫だ

名前からわかるように、黄色い翅を持っているテントウムシ。ただ黄色いだけではなく、通常のテントウムシのような黒い点がなくて、幼虫も成虫も植物に取り付く害虫を食べてくれるというのも特徴である。

日本の九州地方でも生息していて光らないけれど毒があるホタル・ベニボタル

コウチュウ目ホタル上科ベニボタル科に分類される甲虫。ホタルと名乗っているが、光らないのだ。最大の特徴である赤い翅は、毒を持っていることをアピールしていて、他にも色んな形状がある。

きれいな色彩と光沢を持つ美しいクワガタ・パプアキンイロクワガタ

ニューギニアに生息している、宝石のように輝く珍しいクワガタ。大きさは最大で50ミリにもなり、写真のような緑色だけではなく同じく光沢がある青色や橙色、さらにはブロンズのような色をしたものもある。

出典:www.imgrum.net

光が当たるとエメラルドのように輝くのが特徴のトルコホウセキカナブン

これも、磨かれた宝石のように美しい昆虫と言える。体はエメラルドのような緑色をしていて、光に当たるとより光沢感が増してくる。そして幼虫から心を込めて育てて、成虫になる瞬間を見届けるという人も多い。

出典:frankfiedler.com

最大で20cmにもなる大きさを誇るタイタンオオウスバカミキリ

世界最大のカミキリムシとして知られている。体長は最大で167mmにもなり、主に南米やギアナ周辺に生息している。もちろん希少な昆虫とみなされていて、乱獲や高値で取引されるということも少なくない。

翅が曇り一つないガラスのように透けている、スカシマダラ

またの名をグラスバタフライとも言うこの蝶は、翅の大部分が向こうまで透けていて、飛んでいる様子がなかなか見つかりにくいという特徴がある。さらには毎年5月になるとキク科の花にやって来て、乾季が訪れると東斜面のカリブ海側へ渡るという習性もあるのだ。

出典:www.flickr.com

冬虫夏草のような姿をした、クジャクハゴロモ

漢方に使われるキノコの1種・冬虫夏草のような姿をしたクジャクハゴロモは、カメムシ目ビワハゴロモ科に属する変わった昆虫である。翅の部分からなびいている糸状の尻尾は、体を大きく見せて外敵に襲われにくくするためではないかと言われている。

背中の甲羅が人の顔のようになっている、ジンメンカメムシ

インド、マレー半島、スマトラ島、ジャワ島、カリマンタン島、東南アジア各国に生息しているジンメンカメムシは、頭部を下にしてみると背中の部分が人の顔のように見えることからその名前が付いた。

出典:www.antwiki.org

クワガタのような鋭い顎を持つ、ブルドッグアリ

正式名称はキバハリアリというこのアリは、オーストラリア大陸で生き残った原始的な動物とみなされ、ナガフシアリ亜科にも近いと言われている。最大の特徴は何と言っても頭より長い大きな顎と腹部にある毒針で、これらを駆使して獲物を仕留めるのだ。

昆虫の世界には、まだまだ知られざる謎がある!

これまで紹介してきた数々の珍しい昆虫を見て、あなたはどう感じたか。きれいな色をしていたり、体が大きかったり、不思議な習性があったりなど、今までの昆虫の常識を覆すような感じに包まれたに違いない。そしてまだまだ世界中には、あまり知られていない昆虫がたくさんいるということを理解しただろう。


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