こんなの見たことがない世界の珍しいキノコを紹介!
菌で繁殖する「キノコ」は、私たちが日常で食べているものだけではなく、強い毒があったり、奇妙な形をしていたり、鮮やかな色をしているものもある。それらをじっくりと見てみると、まるで非日常的な光景を醸し出しているかのようにも見えるということを紹介する。
菌で繁殖する「キノコ」は、私たちが日常で食べているものだけではなく、強い毒があったり、奇妙な形をしていたり、鮮やかな色をしているものもある。それらをじっくりと見てみると、まるで非日常的な光景を醸し出しているかのようにも見えるということを紹介する。
2019.12.6 UPDATE
CATEGORY
LIKE
16
色合いや形状を始め、奇妙なものがある、世界中の珍しいキノコ!
ただ真っ赤で奇妙な形をしているだけではなく致死量の毒もあるカエンタケ
触れると皮膚に炎症を起こし、食べると死に至ると言われている恐るべきキノコ。日本では奈良県の森林で大量発生しているということが明らかになっている。なので山歩きで見つけても絶対に触れたりしてはならない。
一目見ただけでは恐ろしい毒があるなんて決してわからないドクツルタケ
一見白くてかわいいキノコのように見えるが、これにも危険な毒が含まれているのだ。地方によっては「シロコドク」や「テッポウタケ」という名前が付けられていて、欧米では「破壊の天使」というあだ名がある。
雨露に濡れると緑の宝石のように輝くワカクサタケもなかなか神秘的
艶もある緑色をしたこのキノコは、まるでエメラルドやヒスイのように美しい。これはまるでおとぎ話の世界に出てきそうなキノコとも言える。ちなみに緑色の要素は植物にある葉緑体ではない。
多くの人が知っているキノコの形状を覆した形となっているカニノツメ
タラバガニやズワイガニといったカニの爪のような、非常に珍しい形状のキノコ。新鮮なうちは生きているカニのように真っ赤だが、しぼんでくると色合いもくすんでくるのだ。
何本もの触手があってものすごく強烈な悪臭を放つ珍しいイカタケ
ひっくり返すと、たくさんの脚を持つイカのように見えるキノコ。写真に写っているようにこんなに赤ければ、海で暮らしているイソギンチャクのようにも見える。こんな形でも立派なキノコなんだから実に素晴らしい。
麗しいレース生地のような笠をまとっているアカダマキヌガサタケ
白いレースのような傘をまとった、おしゃれな感じのキノコ。この姿自体が美しいことから、「キノコの女王」として称されている。そしてこれは中国でスープの具や料理に使われることも多い。
出典:www.mnn.com
人間や動物たちにある脳のような形をして猛毒を持つシャグマアミガサタケ
笠の部分は、色々と考えたりする脳のようになっているので、非常にユニークである。そして猛毒があることでも有名だが、毒を完全に抜いたものを欧米や中国では缶詰にしてスーパーなどで販売している。
まるで満開になった花のような形をしている秋のキノコ・ツチグリ
地面にへばりついていて、花のような笠も持っている。乾いている時は丸まっていて、湿気を帯びると外側の皮が開いてくる。真ん中の白い部分をつついてみると、胞子を吹き出すのだ。そして今日、塩ゆでや汁ものや煮物、炒め物といった料理にも使われている。
白くてふんわりとしてかわいらしい印象があるオニフスベも忘れずに
一見ゴムまりやバレーボールのように見えるが、れっきとしたキノコなのだ。またの名を「セイヨウフスベ」とも言い、大きさは最大で50センチにもなったりする。そしてヨーロッパではこれを食べやすい大きさに切って、バターで焼いてパンにはさんで食べるのだ。
心地よさそうな手触りもあって認知症の特効薬にもなると言われているヤマブシタケ
まるでおじいさんの髭や高級な毛皮のように見えるキノコ。主に古くなった木の幹に菌を張り巡らせて繁殖していて、食材としても使われている。ちなみにこれはキノコ農園でも栽培されて、スーパーで売られていることもある。
まるで本当に卵から生まれてきたような印象を持っているタマゴタケ
ニワトリが生んだ卵のようにも見える笠を持っている。遺伝子研究が進んだことによって学名が変わり、中にはこれとよく似た「タマゴタケモドキ」という品種もある。もちろん食べられるが、毒キノコと間違わないようにすること。
高級食材にもなって春の珍しいキノコと言われているアミガサタケも
頭部が網目状になっているのが特徴の、春になるとよく見かけるキノコ。日本ではあまりなじみがないが、ヨーロッパでは高級食材として重宝されており、「モリーユ」という名前が付けられていて、既に乾燥させたものを販売している。
出典:dl.id.au
妖精が住んでいるおとぎの森にありそうな青白い色のソライロタケ
神秘的な青色をまとった、不思議な雰囲気のキノコ。シメジと同じ仲間に分類されて、表面に少しでも傷がつくと黄色に変わるという奇妙な習性を持っている。そしてなかなか見つけることが難しい。
細長い姿をしてちょっとおかしな印象が出ているキツネノロウソク
確かに、炎が灯っているロウソクのような形状をしているおかしなキノコ。先端部にはものすごく臭い匂いを放つ粘液が分泌されていて、梅雨の時期から秋にかけて、ヨーロッパのあちこちで発生するということが多い。
はっきりとした名前もなくまるで出血しているように見えるキノコ
このまとめの中で、一番奇抜なキノコと言えばやはりこれだろう。日本語での名前はなく、「Hydnellum peckii」という学名があって、世界中では「悪魔の歯」や「イチゴとホイップクリーム」といった愛称で親しまれている。
暗くなるとこのように神秘的に光るのが特徴のヤコウタケも素晴らしい
ハラタケ目、キシメジ科、クヌキダケ属に分類されるキノコ。昼間は真っ白な普通のキノコに見えるが、夜になるとこんなに光るのだ。ちなみに光る要因は、キノコ内にある「ヒスピジン」という物質のせいである。
見た目はかわいいけれど中にはしっかりと毒があるベニテングタケ
これも、おとぎの世界で出てきそうなメルヘンチックなキノコ。白い点が付いた赤い笠は、多くの人の心を惹きつけてくれるに違いない。だけどかわいい見た目とは裏腹に、強い毒があるということを忘れてはならない。
まるで3Dプリンターで作ったような立体オブジェに見えるカゴタケ
幾何学的な立体のように見えるが、これでもちゃんとしたキノコなのだ。針葉、紅葉樹林の中に生息していて、内側に繁殖に欠かせない胞子液が付いている。本当にキノコは奥深さと神秘的な印象がある。
人間の体内で成長して喘息や肺炎などを起こすこともあるスエヒロタケ
多くの大陸で発見されているので、世界でも最も印象的なキノコの1つとして知られている。そして近年では、人の肺に寄生して気管支炎や喘息などを起こす「スエヒロタケ感染症」の要因となることがわかってきた。
茎を覆っているレース部分が全体に行き届いているウスキキヌガサタケ
以前紹介した「アカダマキヌガサタケ」の仲間。レースのようになっている部分が黄色となっているのが特徴である。例え黄色でも、自然と十分に馴染んでいて白の時にはなかった雰囲気があふれている。
木から生えて人間の肝臓や牛肉のような見た目となっているカンゾウタケ
見た目はまるで人間の肝臓のように見えるので、その名前が付けられた。世界中に分布していて、ヨーロッパでは食用としてよく使われていて、アメリカでは「貧者のビーフステーキ」、フランスでは「牛の舌」と呼ばれている。
夏から秋にかけて地面に落ちた葉っぱの上に群生するウスムラサキホウキタケ
淡い紫色がある、マイタケのようなキノコ。広葉樹林の中に生息していて毒もないので、食用として使われることも多い。そしてたくさん採れるのでキノコ狩りのお目当てとなっていて、色々な料理方法が編み出されている。
出典:rakoza.com
新鮮なものは暗闇で光ることが多い、ツキヨタケ
ハラタケ目ホウライタケ科のツキヨタケ属に属するツキヨタケも、マイタケのような姿をしているが、下痢や嘔吐を引き起こす毒が含まれているので注意が必要である。そして胞子は湿った場所に落ちたり、暗い場所にあると蛍光色に光ることもあるのだ。
出典:www.ebay.com
まるで何枚ものパンケーキが重なり合っているような、マスタケ
何枚ものパンケーキが重なり合っているように生えているマスタケは、傘の部分がベニマスやサクラマスの切り身に似ていることからこの名前が付けられ、秋田県では、古くから食用にしていたとも言われる。
汁物を注ぐ、お椀のような形をしたヒイロチャワンタケ
道端や、畑、砂利道、空き地などの地上に群生することが多い、ヒイロチャワン丈は、まるでお椀のような形状をしていて、鮮やかなオレンジ色をまとっているのが特徴である。そして全体をルーペで見てみると、細かい産毛もある。
赤いコップのような姿をした、センボンキツネノサカズキ
遠くから見ると細々としていてわかりにくいが、ルーペを通して間近で見ると赤いコップのような姿をしたキノコだということがわかる。分析してみるとベニチャワンタケ科に属する子嚢菌の一種となり、1990年には新種として報告されたのだ。
キノコには、私たちが知らない神秘が秘められている!
これまで紹介してきた数々の珍しいキノコは、明らかにスーパーで売られているものとは大きく異なっていて、奇妙な形や色をしていたり、毒を持っているといった特徴があることがわかった。それらはキノコたちの個性や、生き抜くためにある特徴、そしてキノコ菌の繁殖の脅威を示していると言えるだろう。もし山を散策してこのようなキノコに巡り合えたら、ぜひじっくりと観察して写真に収めてみるとよいだろう。