不思議な感じを持っていて好奇心がそそられそうな「粘菌」の魅力に迫る!

不思議な感じを持っていて好奇心がそそられそうな「粘菌」の魅力に迫る!

地球上には、ありとあらゆる生物が生息している。そしてその中の1つに当てはまる「粘菌」というものをご存じだろうか。これは朽ちた木や土壌の中に棲む菌の仲間で、アメーバのように移動するという特徴を持っているのだ。なので今回はその粘菌の詳細と、研究に勤しんだ学者について紹介したい。

2019.12.2 UPDATE

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まず、粘菌という生物とはどんなものなのかを知ろう

これが粘菌(変形菌)という普段ではあまり見かけない生物なのだ

正確な名前は、真性粘菌や変形菌、細胞性粘菌と言い、主に朽ち果てた木や土壌に生息している小さな生物を指している。動物や植物にも該当していなくて、常に分散したりまとまったりするなど、形を変えて生きているというのが特徴である。

粘菌研究に励んだ、立派な学者も紹介!

出典:www.tb-kumano.jp

生物を始めとするあらゆる研究に力を注いだ南方熊楠(みなかたくまぐす)

粘菌で忘れてはならないのが、この南方熊楠という生物学者である。ありとあらゆる語学や学問に精通していて、数多くの論文を残している。幼い頃から神童だとも言われてきたが、学校にあまり馴染めなくて、破天荒なことばかり行っていた。

出典:www.wa-pedia.com

日本の第124代天皇で象徴天皇の役割も果たした昭和天皇も粘菌研究をした

現在の天皇陛下の父親にもあたる、昭和天皇は実は生物学者の役割も果たしていた。幼いころから昆虫採集が好きで、標本を作ったり図鑑で調べていた。そして成長するにつれて本格的な生物学研究に励み、粘菌のことについても詳しく調べた。
※ちなみに昭和天皇の孫にあたる秋篠宮さまは、大学にいた時は鳥の研究に勤しんでいた。

こんなに種類がある!じっくり見ていると癒される粘菌を大紹介!

出典:inbt.jhu.edu

一定の決まり通りに形を変えるサイクルを持つキイロタマホコリカビ

粘菌を代表するのが、この「キイロタマホコリカビ」というものである。モデル生物として広く研究されていて、じっくり観察していると分裂したりナメクジ状になって移動したり、1つにまとまったりするなどの色んなしぐさが見られる。

出典:www.garnek.pl

まるで光沢のあるブラックパールやブルーベリーのように見えるルリホコリ

見た目はまるで光沢のある黒真珠かブルーベリーのように見えるが、これでも立派な粘菌なのだ。これ自体ですごく美しいので、山の宝石と例えられている。そしてルリホコリはこれ以外にも色々な種類がある。

出典:www.flickr.com

腐った木の上に発生して海に生息するイソギンチャクにも見えるサビムラサキホコリ

一見海に住むイソギンチャクのように見えるが、変形菌の一種なのだ。枯れ木に毛のように生えていて、先の方はクネクネしていて、赤褐色を纏って束のようになっているというのが特徴だ。

出典:www.houbareni.cz

間近で見ると綿花のようにも見えるホソエノヌカホコリという種類もいる

単細胞や多核体がバクテリアを捕食しながら動き回り、朽ち木や枯葉などを住処にして成長する。若い時は茶色をしているが、しばらく経つと写真のように毛が生えてくる。これもなかなかかわいらしくて、生命の神秘な感じを感じさせられる。

出典:www.nahuby.sk

成長するにつれて色を変えるオシアイホネホコリもなかなか魅力がある

最初の色は黒っぽく見えるが、成熟するにつれて灰色や白色になってくる。そして最終的にはどんどん広がって、硬くなるというのが最大の特徴である。なのでやっぱり粘菌は何かを惹きつけるものを秘めているということが伺える。

出典:www.flickr.com

ほのかなピンク色をしたいくつもの粒が一つに融合しているクダホコリ

遠くから見ると、辛子明太子やイクラが密集しているように見えるが、これでもきちんとした粘菌なのだ。小さく分散しているものもあれば、大きい集団のように密集しているものもある。そしてその姿がとてもかわいいので、ツイッターやインスタグラムで紹介する人も多い。

出典:qldfungi.org.au

倒れた木に発生するトビゲウツボホコリはまるで地上のサンゴ礁と言える

若い時はつやがあるイクラのように見えるが、成長するとカズノコのように見える。これも腐った木の表面で生きていて、非常に生命力あふれている存在と言える。ちなみに増える時は、実に詰まった胞子をばらまいて増える。

出典:www.messiah.edu

ふんわりとした触感がありそうなマメホコリはなかなかの愛嬌がある

一見絹の玉かキノコ、あるいはマシュマロのように見えるが、変形菌の仲間なのだ。一番大きなものは15ミリにもなり、若い時は写真のようなほのかなピンク色だが、成長すると茶色くなったり黒ずんでくる。ちなみにこれは世界中に広く分布していて、腐った木の上に生えている。

ルーペでじっくりと見ないとその素晴らしさがわからないフシアミホコリ

先ほど紹介した南方熊楠がずっと研究してきた、タンポポのような綿毛を持つ粘菌。肉眼ではわかりにくいかもしれないが、ルーペでじっくりと観察してみると、神秘的な雰囲気がじんわりと伝わってくる。そして増える時は、その綿毛(胞子)を飛ばして増える。

森の中の倒木や切り株によく生息していると言われているツノホコリ

こちらは、原生粘菌として分類されている。アメーバ状の体を持ちプロトステリウム類とも言われていて、植物の枯れた部分や果実、樹皮の上から見つかることが多い。色は真っ白で、たくさん集まっているとまるで神秘的な光景のように見える。

まるで樹木に埋め込まれた金具のようにも見えるガマグチフクロホコリ

落葉の上に生息していることが多く、世界中のあちこちに分布している。見た目はまるで敵の侵入を防ぐような塀のように見えて、曲がりくねっているのが特徴である。子実体の形から「ガマグチ」という名がついたのだ。

出典:www.jcdegids.be

朝露に濡れると高い値段が付きそうな黒真珠に見えるツヤエリホコリ

真黒で光沢があるので、まるでタヒチ産の黒真珠のように見える。変形体は白色で、未熟子実体は柄が黒く、子のうがだいだい色をしているのが特徴。ちなみに生息している場所は、腐ったブナの木が多い。ちなみに黒い球は0.6ミリの直径を持っている。

こんなに拡大して見てみるとまるで秋の紅葉に見えるウツボホコリ

ルーペを使って見てみると、紅葉の森のように見える変形菌。これも腐った木で暮らしていて、胞子で拡散して仲間を増やしていき、たくさんの変異が存在している。写真は赤いウツボホコリだが、白い色をしたシロウツボホコリもいる。

出典:www.flickr.com

もっとよく見てみると先端部分がカゴのようになっているクモノスホコリ

こちらは、ごく普通の変形菌である。先端についている胞子嚢(ほうしのう)には胞子が詰まっていて、すべて出し切るとカゴのような形になる。生息場所は腐った針葉樹で、世界中に広く分布している。

出典:www.biolib.cz

高級珍味・キャビアのようにも見えるフンホコリもすごく神秘的だ

今度は、世界三大珍味の1つとして数えられるチョウザメの卵・キャビアにそっくりである。しかし時間が経つにつれて、まるで動物の糞のような形状になったり、またもとの形にも戻るという習性がある。

タレホウツボホコリはおとぎ話の森の世界に登場してもおかしくない

先ほど紹介した「ウツボホコリ」の1種で、ルーペを通してみてみるとマッチ棒の先端のような形をしているのがわかる。先端部は朱色になっていて、たくさん集まっていると絵本にでてきそうなメルヘンチックな光景が作り出される。

ブランド物の巨峰を例えられそうな外観を持つブドウフウセンホコリ

たくさん結球していてぶら下がっているので、その姿はまさに巨峰などのブドウのように見える。秋になるとたくさん発生して、キノコを始めとする他の菌類を捕食して固体を増やしているのだ。ちなみに本物のブドウと間違えて食べたりしないように。

出典:www.nahuby.sk

写真以外の姿を公表することもあるミドリフクロホコリも結構神秘的

ルーペを通して間近で見ると、菜の花のように見える粘菌。湿っている場所ならとにかく構わず住み着いて、仲間を増やしている。そしてこれは真正粘菌ではなく原生粘菌に分類されているのが特徴だ。

これまでの粘菌(変性菌)を見て、どう思ったか

粘菌という生物は、多くの学者の研究の対象にもなっている、不可思議な生物と言える。しかし、分裂したり統一したり、体を伸ばして移動している姿は生命力にあふれているということを伝えている。なので皆さんも機会があったら、本物の年金をじっくり見てみるとよい。


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