【ノートルダム大聖堂】 フランス・パリ観光で必ず行きたいゴシック建築の寺院‏

【ノートルダム大聖堂】 フランス・パリ観光で必ず行きたいゴシック建築の寺院‏

誰もが一度は憧れたことのある、花の都・パリ。そこは凱旋門やエッフェル塔、ルーブル美術館など芸術的な見どころがいっぱい。その中の「ノートルダム大聖堂」もパリを象徴するカトリックの建造物だということを忘れてはならない。今回はノートルダム大聖堂がどれほど美しく、見た者の心を魅了するのかを紹介する。

パリのど真ん中に建つ、フランスを象徴する神聖な寺院「ノートルダム大聖堂」

ノートルダム大聖堂

フランスの首都・パリにいくつもある歴史的な建物の中で、特に群を抜いているのがこの「ノートルダム大聖堂」である。ここは小説や映画の舞台にも選ばれていて、所々に使われたゴシック建築の素晴らしさがあふれている。

パリを流れるセーヌ川を分けている島に位置する

パリに流れる広大な川・セーヌ川には、シテ島という小規模の島が浮かぶ。その島の東側にそびえ立っていて、またの名を「ノートルダム寺院」という。そしてこの建物は1991年に周囲の文化財とともに世界遺産となった。

出典:www.lastampa.it

キリスト教のシンボル・聖母マリアへの崇拝も示している

ちなみに「ノートルダム」は、フランス語で「我らの貴婦人=聖母マリア」という意味を持っていて、敬虔なカトリックを厚く信仰し、聖母マリアへの敬意を示している。

この壮大な教会は、どんな歴史を歩んだのか その真相に迫る!

カペー王朝の最盛期に建立された

※写真はカペー王朝の家紋
1163年、パリ司教モーリス・ド・シュリーによって工事が開始された。建築は、ゴシック様式で、彫刻やステンドグラスなどをふんだんにあしらい、長い年月をかけて1345年頃にようやく完成した。さらにこの頃は、カペー王朝の最盛期だった。

フランス革命によって、一度破壊されてしまった

1789年、フランス革命が勃発。このノートルダム大聖堂も襲撃を受け、並んでいた旧約聖書の王の像が破壊されるなど甚大な被害に遭った。

出典:www.napoleon.org

ナポレオンの戴冠式にも使われた

1804年、世界史で有名な英雄・ナポレオンがこの大聖堂で戴冠式を行った。この式によって、フランス帝国の皇帝となり、彼の妻となるジョセフィーヌという女性もここで同じ時間に戴冠式が行われた。

ノートルダム・ド・パリという小説で、改修工事が行われた

1831年、「ノートルダム・ド・パリ」というユーゴーの小説が出版されたことによって、再び注目が集まり、修繕を行うことになった。ちなみにこの物語は、日本では「ノートルダムのせむし男」という名前で知られている。

2013年になると、長い創立を祝う式典が行われた

そして2013年に、ノートルダム大聖堂は創立850周年を迎えた。それを記念して新たに作られた鐘が飾られ、様々なイベントが行われ、ますます多くの人に知れ渡っていくこととなる。

寺院は外観、内装ともにどこから見ても美しい見どころがいっぱい!

最後の審判の門

先ほど紹介した大聖堂の正面には、3つの玄関があり、その中の中央にあるのが「最後の審判の門」である。「12の美徳と12の悪徳」と言われている天国と地獄の様子が見事に彫刻されているのが特徴。なお、門はフランス語で正面を意味する「ポルタイユ」と呼ぶこともある。

聖アンナの門

聖母マリアの母である、聖アンナが彫られた門で、最後の審判の門の右にある。緻密な彫刻がとてもよい。ちなみにバチカンには聖アンナ教会という小さいけれど敬虔な教会がある。

聖母マリアの門

最後の審判の門の左隣にある、聖母マリアが幼いイエス・キリストを抱いている様子が描かれた門。そしてその上にはキリストが天国で戴冠される様子が造られていて、ますます神聖な様子が出ている。

出典:traveltoeat.com

ファザード聖人の彫刻

3つの門それぞれの両側に、聖人を模った像が配置されている。それらはまるで、訪れた観光客や礼拝に来たキリスト教徒を、温かく受け入れて迎えるかのような光景である。

諸王のギャラリー

さらに3つの門の上には、28体もの石像がずらりと並ぶ。それらは、旧約聖書に登場するユダヤの王を模っていて、より素晴らしい外観を造り上げている。

聖女ジャンヌ・ダルクと関わりがある

さらに大聖堂は、フランスを滅亡から救ったこともある。ヨーロッパの世界史で必ずあった百年戦争の中で、フランスはイギリスに負けそうになっていた。そこで大いに活躍した女性の英雄・ジャンヌ・ダルクがノートルダム大聖堂で新たな王の戴冠式を実現させた。そうすることによって、フランス軍の勢いが強くなり、イギリスに逆転勝利を果たしたのだ。

出典:www.citylab.com

ノートルダム大聖堂の中

天井までの高さは、約38mもあり、所々にある光が照らす静まり返った空気の中で、毎日礼拝、聖典が行われる。

南のバラ窓ステンドグラス

中に入って中央まで進むと、左右には大きなステンドグラスがあって、それは感動を与えてくれる美しさで輝いている。昔は、神は神々しい光だという思想があり、色とりどりのステンドグラスを作ることによってそこから神の光を取り入れるという考えが現れていた。そして、このステンドグラスの向かい側に、北のバラ窓ステンドグラスがある。

南側外観

他の角度から見ると、正面からは決して見られなかった新旧の2本の尖塔がそびえ立つのが見える。さらに晴れた日のはそこの近くには、たくさんの人で賑わっている。

出典:www.vareen.com

後部外観

どこから見ても、隙のない美しさを湛えている。ここから大聖堂をじっくりと見てみると、「フライング・バットレス」というロマネスク時代の建物に使われていたアーチ状の部分がしっかりと支えているのがわかる。

さらに「大聖堂の塔」に上って、素晴らしい眺望を楽しもう!

大聖堂の塔

この雄大な寺院で、さらなる満喫をしたい!という方は、「大聖堂の塔」に上ることをおすすめする。422段のらせん階段を上りきると、地上や寺院の中では味わえない眺望が待っている。ちなみにノートルダム大聖堂の中に入るのは無料だが、さらに上にある塔に上る場合は有料となる。

大聖堂では、祈りを捧げる聖典「ミサ」が毎日行われる

出典:www.bbc.com

キリスト教の神聖なる聖典「ミサ」

カトリック教会で忘れてはならない毎日の日課「ミサ」。これは聖書の言葉を聞いたり、キリストの復活を記念する伝統的な典礼である。さらに、何種類もある賛美歌を歌い、キリストに心からの敬意を示す。

出典:music.case.edu

月曜から土曜は、聖歌隊が加わる

月曜日から土曜日までの8時または9時からは、きれいな歌声で聖歌を歌う聖歌隊のコーラスが催される。やはりきちんとした聖歌があると、モチベーションが上がりやすい。

出典:news.nd.edu

日曜日は通常のミサ

日曜日は地元の人や観光客、さらには熱心なキリスト教徒が集まる通常のミサとなっている。ちなみに開催の時間は午前8時半から午後12時45分、午後5時から午後6時半だ。

出典:sites.nd.edu

時期に応じた、特別なミサも行われる

キリスト教で忘れてはならない、クリスマスの催事やカトリックで定められた祭日。さらには地震などの自然災害に巻き込まれた被害者、大規模な事故で命を落とした人に祈りをささげる特別なミサも行われることがある。やはり少しでも苦しんでいる人に愛の手を差し伸べるという精神が見られる。

夜になると、こんなに美しくライトアップされることもある!

これぞまさに、高貴な黄金の輝き

空が真っ暗になった時に、ノートルダム大聖堂が光に包まれると、まるで神々しい光を放っているように見える。やっぱりこのような光の方が、ノートルダム大聖堂に魅力を与えてくれると感じられる。

まるで建物全体に、カラフルな花が咲いたように見える

今度はノートルダム大聖堂にカラフルな光を当てて、きれいに彩られたという印象を醸し出している。光は隙間なく合わさっていて、見方によっては大聖堂がユニークに見える。

赤と青で統一して、アメリカンドリームを表現している

ノートルダム大聖堂のライトアップはまだまだ他にもあって、今度は赤と青の光を当ててアメリカの国旗を連想させるようなデザインにしている。これはまさに楽しいアメリカンドリームを伝えてくれそう。

知っておきたい、ノートルダム大聖堂を訪れる時のマナー

出典:audishop.online

頭に何か被っていたら、必ず外す

男女ともに、帽子やパーカーのフードなど、頭に何かかぶっていたら外す。なお聖堂内では、服装で禁止されていることはない。

建物内は神聖な場所なので、静かにすること

ノートルダム聖堂は、神聖なキリスト教の建物なので、中に入る時は大声を出さずに静かにすることが義務付けられている。もちろん大声を出して騒いだり走り回ることは言語道断だ。

写真撮影は基本的にOK

大聖堂の中は、写真撮影は許されている。しかし眩しいフラッシュを焚いたり、ビデオでの撮影は禁止されている。

建物の近くには、ついでに寄っても悪くない名所が集まっている!

ルーヴル美術館

8世紀にわたるフランスの歴史が刻まれているルーヴル美術館には、38万点以上の展示品が並べられていて、総面積60,600平方メートルを誇る。展示されている品は中世、ルネサンス期、ブルボン王朝期、フランス革命期、ナポレオン1世と第一帝政期など多岐に渡っている。

マレ地区

パリのおしゃれエリアとして有名なマレ地区は、有数のアートギャラリーが集まる地域でもある。至る所に雑貨屋、カフェ、レストランが連なっていて、時間をつぶすのにも最適で、写真に収めておきたい街並みも結構ある。

サンジェルマンデプレ

パリの中心地に位置するサンジェルマン・デ・プレは、かつては知識人や芸術家たちの集まる場所を務めていて、フランス文化を牽引していた歴史あるエリアでもある。そして何より目玉となるのが、堂々とそびえ立つサンジェルマン・デ・プレ教会だ。

こんなに気高いノートルダム大聖堂は、2019年に火事に見舞われてしまった

出典:digg.com

炎を上げて激しく燃えてしまった、ノートルダム大聖堂

これまで紹介してきたノートルダム大聖堂は、パリを代表する観光名所の一つとして存在していたが、残念ながら思わぬ不運に見舞われることとなる。2019年4月15日に発生した火災によって、尖塔部分が無残な姿になってしまい、屋根の3分の2が焼失した。


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