【ペトラ遺跡】 インディジョーンズで有名なヨルダン旅行で行きたい世界遺産
砂漠の国でもある、中東のヨルダンには、有名な映画「インディー・ジョーンズ」の舞台となった世界遺産でもあるダイナミックな「ペトラ遺跡」という観光名所があることをご存じだろうか。その遺跡は、敷地が広く、冒険心があふれるような建造物が勢ぞろいである、ヨルダンを象徴する名所であることを紹介する。
砂漠の国でもある、中東のヨルダンには、有名な映画「インディー・ジョーンズ」の舞台となった世界遺産でもあるダイナミックな「ペトラ遺跡」という観光名所があることをご存じだろうか。その遺跡は、敷地が広く、冒険心があふれるような建造物が勢ぞろいである、ヨルダンを象徴する名所であることを紹介する。
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まるで古代の異世界!ヨルダン旅行の神秘なる名所「ペトラ遺跡」
正式名称は「ペトラ」
ギリシア語で「岩」「崖」という意味の名前を持つ、ヨルダンが誇る遺跡。岩山を削って素晴らしい都市を造り上げたが、襲撃や地震によって壊滅してしまい、19世紀になるまで世に知れ渡ることはなかった。そしてここは、1985年に世界遺産登録として認められた。
中東・ヨルダンに位置している
改めて地図で場所を確認してみると、イスラエル、レバノン、シリア、イラク、サウジアラビアに囲まれたヨルダンという国にあることがわかるが、さらに詳しく調べると、ヨルダン自慢の死海から約80km南にあることを確認できた。
馬車での移動も可能
ぺトラ遺跡全てを観光するとなると、ものすごい労力や時間を要することが多い。少しでも旅の負担を軽減したいなら、馬が引っ張る馬車に乗って楽しむという手もある。
※ちなみに馬車は有料。
2018年には、突然の土石流と鉄砲水に見舞われたこともあった
ヨルダンは、2018年11月9日に大雨による洪水が発生し、それは南部にあるペトラ遺跡にも及んだ。団体旅行を含む3500人を超える観光客は無事避難したが、山から流れた濁流はトイレの小屋を押し流していったのだ。
出典:4travel.jp
体が浮くことで有名なヨルダンの海・死海が近くにある
アラビア半島北西部に位置する死海は、西側にイスラエル、東側にヨルダンを構えていて、湖面の海抜はマイナス430mしかない。そして近隣に住む人にとっては身近なものとなっていて、週末のお出かけの穴場にもなっている。30%もある塩分濃度のおかげで体が浮き、肌がきれいになるのだ。
ペトラはなぜ建立され、今のような大遺跡になったのか その歴史に迫る!
はるか昔から、人類が暮らしていた歴史があった
新石器時代から、人類が生活していた痕跡がここで見つかった。その人類とは、エドム人である。彼らはユダヤ人と関係が悪く、何度も戦いが行われた。紀元前6世紀には、遊牧民族ナバタイ人がペトラに移住した。紀元前4世紀末には、セレウコス朝の襲撃を受け、大被害を受けた。言語はアラビア語、信仰する宗教はセム系で、建物にはヘレニズム文化の美術を取り入れた。そして、天然の砂岩を削り、立派な街が作られていった。
写真:ローマの軍人・ポンペイウスの彫刻
あらゆる文化が融合したペトラだが、106年、ローマの軍人兼政治家を務めているポンペイウスによってローマ帝国と統合され、街並みはすべてローマ風に改装されていった。
壊滅的な大地震によって、灰燼の廃墟になってしまった
※写真はイメージ
ローマの支配下になったペトラは、大地震によってもう復興できないくらいの被害を受け、人がいない廃墟になった。
ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトが遺跡を世界に広めた
そして1812年、ペトラの噂を聞いた探検家ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトが、遺跡を調査して世界中に伝えた。ちなみに彼は一見アラブ系民族のように見えるが、れっきとしたスイス人である。
現在でも発掘作業は続いている
これだけ歴史が解明されたなら、もう調べることは何もないと思われがちだが、実はまだぺトラ遺跡についての謎はたくさんあって、今でも多くの考古学者が発掘して研究に勤しんでいる。
遺跡の中では、遊牧民であるベドウィンが暮らしていることもある
やっぱりペトラ遺跡は砂漠の上に建っているので、ラクダとともに生きる遊牧民・ベドウィンが近くで暮らしていることもある。その数は段々少なくなっているが、墓や寺院の遺跡の中で、ヤギの群れと一緒に岩の斜面を登ったという人もいる。
絶対見逃してはならない、インディー・ジョーンズでも登場した見どころ!
インディージョーンズ・最後の聖戦
有名なハリウッド映画「インディー・ジョーンズ」は、いくつかシリーズがあるが、今回紹介する「ペトラ遺跡」が舞台でもあり、ロケ地でもある作品がこれだ。ちなみにこの作品は、遺跡内でキリストの聖杯を探すという内容となっていて、壮大な遺跡と、役者が成すアクションシーン、冒険シーンは、見ている者の心を躍らせる。
シーク
まずは、誰もがこの岩の裂け目を通る。何メートルもの高さがあって、いかにも迫力ある険しい岩の壁に挟まれそうな感じだ。しかし、この道を通ると、もっと壮大な光景が待ち受けているのだ。
出典:artsnap.org
エル・ハズネ
先ほど紹介した暗くて狭い「シーク」を抜けた後にそびえる、崖を削って作った霊廟。ヘレニズム文化の印象が残っており、別名「宝物殿」と称されている。ちなみに幅は約30m、高さは約43mがあって、先ほど紹介した「インディー・ジョーンズ」で出てくる、肝心の聖杯が隠された遺跡でもある。
他にも遺跡内は、世界遺産にふさわしい荘厳な岩の芸術がたくさん!
ローマ円形劇場
一見、イタリアにある円形闘技場「コロッセオ」に似ている遺跡。5000人以上収容可能で、造りはローマ帝国の名残が残っているように感じる。劇場内に立ち入ることはできないが、周りの風景とよく調和しているのがわかる。
王家の墓
岩窟を掘削して作られた、ずらりと4つ並ぶ王家の墓。一時期は教会としても使われていた。左から、宮殿の墓、コリントの墓、シルクの墓、壺の墓と並んでいる。そして見た目はまるで西洋にあるバロック式の宮殿みたいだ。
アーンの墓
またの名を壺の墓とも言うアーンの墓は、ナバテア王の墓として造られましたが、5世紀にはキリスト教会として再利用されている。内部に入ってみるとだだっ広い空洞になっていて、何より天然の岩模様が素晴らしいと感じられる。
ライオンのモニュメント
犠牲祭壇のすぐ近くにある、ライオンを模った彫刻。一見彫刻のように見えるが、実は山に降り注いだ雨を下へ続くダムへ流す、樋(とい)の役割をしている。そしてこの付近は泉のような形状にもなっていた。
柱廊通り
両側に円柱状の柱が並んでいる、6mの幅を持つ通り道で、ペトラ遺跡の中央に位置する。柱の高さがまちまちなのは、地震によって崩れてしまったことが考えられる。この通り道は、多くの人が踏みしめて、歩いていたに違いない。
凱旋門
先ほど紹介した通り道を最後まで通っていくと、崩れてはいるが立派な門に巡り合える。さらにそこをくぐると、旅を楽にしてくれるロバ乗り場やレストラン、これから紹介するエド・ディルが待ち受けている。
エド・ディル
最初に紹介した「エル・ハズネ」より大きい、この遺跡自慢の建造物。修道院として使われた神殿で、渓谷を見渡すことができる。なおこの建物は、エル・ハズネからかなり離れていて、1時間くらいはかかってしまう
翼を持ったライオンの寺院
今はほとんど、地震によって崩れてしまったが、思わず登ってみたくなるような立派な建物である。なお、肝心の翼のあるライオンは、ペトラ考古学博物館に大切に保存されている。
犠牲祭壇
名前はおぞましいが、その名の通り家畜などの生贄を捧げて祈祷を行った祭壇。祭壇には、神の顔を彫った石もあり、祭壇の他に、民家の跡、そびえ立つオベリスク(記念碑)も残っている。
ジャバル・ハルーン
15世紀に建てられていて、イスラム教の建物・モスクにもある白いドーム状の屋根があるのが特徴。旧約聖書に出てくるモーセの兄・アロンの墓碑として建っており、聖地として崇拝されている。
遺跡内には、こんなに面白い見所がまだまだある!
お土産としてサンドボトルが販売されている
ぺトラ遺跡を訪れた記念となるものは、やはりあちこちで撮影した写真もそうだが、現地で売られている、芸術性の高いサンドボトルもおすすめである。いろんな砂が細かい模様を造り上げていて、職人技が生かされている。
夜になると、こんなに素晴らしい光景になる
夜になってすっかり暗くなると、ライトが付けられていないぺトラ遺跡も真っ暗になる。しかし、地面に炎を灯すランタンが埋め込まれていて、その明かりによってより見栄えがよくなってくる。これはまさに歴史的な印象があふれている。
この感動あふれる遺跡観光にあたっての注意点
ラクダやロバは、旅の強い味方
ペトラの道は、行きは下り坂で楽だが、帰りは上り坂が続いてきつい。しかも敷地は広くて道は長い。なので、有料になってしまうがラクダやロバを利用するのも一つの手である。
日差しがとても強いので、十分な対策が必要
ペトラの地はほとんど砂漠で、空気が乾燥しており、昼間は日差しが強い。なので、それらに完全対応できるようにする必要がある。乾燥には保湿クリーム・リップクリームなどで対処し、暑さ・日差し対策には帽子・サングラス・日焼け止めは不可欠。そして砂の地を歩くので、足元は運動靴がよい。
やっぱり水分補給は不可欠
さらに、暑い中長い距離を歩くので、水分補給は必須である。飲み物は遺跡内の売店で販売しているが割高なので、大きめのペットボトルに飲み物を入れて持って行った方がよい。ちなみに売店のものが割高な理由は、やはり遺跡まで運ぶ作業は一苦労だと考えられる。
日本から、ペトラ遺跡に行くには
出典:fortune.com
写真:ドバイを拠点とするエミレーツ航空
日本からヨルダンへの直行便はない。なので、アジアかヨーロッパを経由してヨルダンへ向かう方法になる。(ちなみにかかる時間は約18時間ほど)おすすめの渡航方法は、エミレーツ航空またはカタール航空といった中東航空会社を利用するか、トルコのイスタンブールを経由して行く方法が挙げられる。(ちなみにイスタンブール経由は15時間)
写真:アンマン・シビル空港
上記の手段を終えたら、ヨルダンの首都・アンマンにある「アンマン・シビル空港」に降りたら、ワヘダットへ向かう。そこからマイクロバスで、ペトラ遺跡に最も近い「ワディ・ムーサ」という村へ向かうと、目的地にたどり着ける。