【パルテノン神殿】 アテネ観光で見逃せないギリシャ・アクロポリスの世界遺産
オリンピック発祥の地でもあり、数多くの神話や神々でおなじみの国、ギリシャ。そこは古代の歴史を物語る遺跡も豊富にあることでも有名である。その中で首都アテネを象徴する「パルテノン神殿」についての概要や歴史などについて紹介する。
オリンピック発祥の地でもあり、数多くの神話や神々でおなじみの国、ギリシャ。そこは古代の歴史を物語る遺跡も豊富にあることでも有名である。その中で首都アテネを象徴する「パルテノン神殿」についての概要や歴史などについて紹介する。
2019.12.13 UPDATE
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ギリシャ旅行で、アテネを訪れたら必見!「パルテノン神殿」
パルテノン神殿
ギリシアの首都・アテネにある、アクロポリス(ギリシャ語で小高い丘という意味)という遺跡群の中に存在する、遺跡群を代表している神殿。なお、神殿そのものの敷地面積は2170㎡で、地上からの高さは14mである。そしてここは、1987年にアクロポリスと共に世界遺産となった。
地図で見てみると、海に囲まれていることもわかる
今回のテーマ・パルテノン神殿のある国、ギリシャは東にエーゲ海、南、西に地中海があって、海に囲まれた国となっている。そして肝心のパルテノン神殿は、海に面した土地の端にあるので、海にも近いことがわかる。
黄金比が保たれている
パルテノン神殿は、縦:横が1:1.1618・・・の割合が保たれている「黄金比」が取り入れられている。ちなみにこの割合は、同じく古代ギリシアで制作された「ミロのヴィーナス」にも取り入れられている。
壮大な神殿、および遺跡が建立された歴史に迫る!
ギリシャの遺跡を統括する、アクロポリス
紀元前13世紀頃、パルテノン神殿を含む小高い丘「アクロポリス」が建てられた。それは、敵の侵入を防ぐための城塞としてあった。そしてここはギリシア神話を作った詩人・ホメロスの比喩表現の舞台にもなった。
太陽に照らされるとより神々しさが出る
紀元前8世紀頃になると、ギリシア神話で出てくる神々を祀る神殿が、アクロポリスにたくさん築かれた。もちろん、パルテノン神殿も、15年の年月をかけて建てられた。ちなみにこの神殿に祀られた神は、アテネの守護神アテナである。
一度粉々に破壊されたが、何とか再建した
そして紀元前5世紀には、イランのペルシア軍が侵攻して多くの建物が破壊され、パルテノン神殿も、瓦礫の山となってしまった。そんなことがあってもくじけずに、神殿の再建作業が行われた。そして現在、完全に完成した当時の状態を取り戻すための修復作業が行われている。
目の錯覚を起こさせる歪みを利用した、驚きの建築様式!
神殿を造り上げているのは、大理石
この壮大な神殿を造り上げているのは、ペンテリコン大理石という素材だ。これを削って組み合わせていくことで、感動を呼ぶ歴史的な建物になった。ちなみに修復作業にもこの素材が使われている。
方角を見てみると、東向きに建っている
古代ギリシアは、東に勢力や領土を拡大することに全力を注いでいた。さらにその理由は、当時のヨーロッパの西側は世界の終わりだと思われていたという根拠もある。
遠くから見ると、わかりにくいが実は・・・
一見、まっすぐな直方体のように見えるかもしれないが、間近で見てみると、曲線と曲面の組み合わせでこの神殿は成り立っている。一見、まっすぐな直方体のように見えるかもしれないが、間近で見てみると、曲線と曲面の組み合わせでこの神殿は成り立っている。床の中央は少し盛り上がっていて、神殿を支える柱も、実は直立ではなくわずかではあるが傾いているのだ。
パルテノン神殿内側
外側から神殿を見ると、白い柱が太く見え、中に入って外の景色を見ると、柱が細く見え、雄大な眺望を見られる。これは、人間の目の錯覚「光滲現象」を利用して、神殿の素晴らしさを伝えているのだ。
目を凝らして見ておきたい!至るところにある芸術的な装飾
アテネと聖域を結ぶ玄関口となる、堂々としたプロピレア門
またの名をプロピュライアとも言うこの巨大な建造物は、パルテノン神殿が奉献された直後の前437年に建てられ、ドーリス式の円柱六本が並び、中央通路の両脇には細身のイオニア式円柱が並んでいるのが特徴である。立ち寄れる部分は外側と、中央の通路の部分だけだが、それでも十分な迫力がある。
エンタシスの柱
周囲を囲み、建物を支える役割を持つこの柱は、46本ある。中間に膨らみがあって、上に行くにつれて細くなっているのがわかるだろうか。この様式を「エンタシス」という。
大理石でできた瓦
今はほとんど地面に落ちた瓦礫となっているが、屋根に使われていた瓦。ちなみにこのようなことに至った背景には、紀元前480年前のペルシア戦争が起こったことによる。
アテナ像
パルテノン神殿の名前の意味は、「処女神の宮殿」となっていて、そこにはギリシア神話の女神・アテナを銅像にして祀っている。しかも数は1個か2個ではなく、複数祀っているのがまたよい。
彫刻(レリーフ)
神殿全体をじっくりと見ると、このような緻密で精巧な彫刻が刻まれているのがわかる。これはまさに芸術的なデザインとなっていて、見る人の心を感動させる。
メトープ
屋根と柱に挟まれた小さな石板の壁である。
周囲160mにも及ぶ石板の一つ一つには、神話や歴史を物語る彫刻が刻まれている。
ギリシア最古の劇場とも言われている、ディオニューソス劇場
アクロポリスの麓に建てられていた大型劇場であるディオニューソス劇場は、ワインと豊穣の神に捧げられていて、神聖なディオニューシア祭の開催地でもあった。こんなに立派な劇場は紀元前325年に建設され、14,000人から17,000人の観客を収容可能だった。
パルテノン神殿と向かい合っている、エレクティオン神殿
アテネのシンボル・パルテノン神殿と向かい合っているのは、紀元前5世紀末に完成したエレクティオン神殿である。こちらはイオニア式建築の要素が生かされていて、アテナの女神像が安置されているのが特徴で、パルテノン神殿と肩を並べるような荘厳さがある。
さらに深く学びたい人のために、美術館がある!
アクロポリス博物館
新しく建てられたため、新アクロポリス博物館とも呼ばれる、アクロポリスから出土された数々の文化財を展示している博物館。建物の外側も内側も洗練されたモダンなデザインとなっていて、旅の記念となるスポットと言える。
パルテノン神殿及び、アクロポリス遺跡を見物する際のアドバイス
見学時間は、あまり長すぎないように
パルテノン神殿の見学時間は、大体午前8時から午後7時までとなっているが、時期によって変わることもある。そして見学時間は、およそ2~3時間を目安にした方がよい。
出典:www.ebay.fr
見学は、履きなれた運動靴がおすすめ
神殿、遺跡内は基本的に大理石でできていて滑りやすいので、履きなれた運動靴で歩くのがよい。そして歩きにくい所もあるので、ますます運動靴が重宝される。さらには、高い位置にある遺跡は強い風が叩き付け、粉塵が舞うこともある。
太陽の光が容赦なく降り注ぐ
昼間はとても暑くなり、建造物はみんな屋根がないため、日差しを遮る場所がない。観光は朝か夕方の時間帯が最適である。
混雑している時は、悪質なスリに注意
やっぱりパルテノン神殿を初めとするアクロポリスは、連日大勢の人が押し寄せる。だから人混みに紛れて貴重品などを盗むスリも少なくない。それを防ぐためには鞄のファスナーをしっかりと締めて、周囲の人に気を付けることが重要だ。