スペインの牛追い祭りであるサンフェルミン祭に参加したい
スペインの牛を使った行事と言えば「闘牛」が有名だが、「サンフェルミン祭」も忘れてはならない。これは別名を「牛追い祭り」と言い、世界中が熱狂するような命がけの祭りで、伝統的な宗教行事でもあるのだ。そんなサンフェルミン祭の魅力について紹介する。
スペインの牛を使った行事と言えば「闘牛」が有名だが、「サンフェルミン祭」も忘れてはならない。これは別名を「牛追い祭り」と言い、世界中が熱狂するような命がけの祭りで、伝統的な宗教行事でもあるのだ。そんなサンフェルミン祭の魅力について紹介する。
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世界中が注目する、スペインの熱狂的な祭典「サンフェルミン祭」とは?
毎年100万人もの観光客が集まってくるスペインのサンフェルミン祭
毎年7月から9日間、スペインの州都・パンプローナで開催されるお祭りで、宗教儀式から成り立ち、スペイン自慢の3大祭りとして挙げられる。そして何より、「エンシエロ」という牛追いがこの祭りで欠かせないイベントになっている。
会場はスペイン・ナバーラ州の州都でもあるパンプローナという町
サンフェルミン祭りの場所は、写真のパンプローナという町である。スペインとフランスの国境にあるピレネー山脈にも近い。人口は19万程度だが、この祭りが行われると世界中から多くの観光客がどっとやって来る。
何とその祭りには、長い長い歴史があった!
起源はローマ元老院の息子・聖フェルミンを称える宗教行事から始まった
サンフェルミン祭が誕生したのは、12世紀初頭からである。写真の聖フェルミンは、「聖セルニンの小井戸」と言う場所で洗礼を受け、パンプローナで初めての司教となった。その後、伝道目的の航海に出たが、途中フランスで斬首刑になった。この聖フェルミンを称えるために、闘牛が行われ、そして牛追いが始まって現在のような祭りに発展した。
祭りはヘミングウェイの有名な小説「日はまた昇る」にも登場する
作家とジャーナリストを兼ねているアメリカ人、アーネスト・ヘミングウェイの小説「日はまた昇る」も、サンフェルミン祭が舞台となっている。この小説はヘミングウェイ自身がこの祭りを見て感動し、魅了されたことによって誕生した。
サンフェルミン祭りの最中は、とにかくみんな牛に追われる!
まずは市役所前の広場に集まって市長による大切な開会式が行われる
サンフェルミン祭を開催する当日の午前中、パンプローナ市庁舎前広場にびっしりと人が集まり、写真のような開会式が行われる。具体的にどんなことをするのかと言うと、真っ赤なネッカチーフを空に高く掲げるのだ。ネッカチーフが真っ赤な理由は、聖フェルミンの血を表しているからである。
勇ましく突っ走るたくさんの猛牛はある目的地に向かって走っている
頑丈な角を持った牛は、ただひたすら通りを走って人々を追いかける。ぼんやりしてると跳ね飛ばされる。
とにかく人々は牛から逃げるのに精いっぱいということが伝わってくる
勢いよく追いかけてくる牛から、とにかく逃げ切れ!ぶつかったらひとたまりもない!!!
こっちに来るぞ!早く逃げろ!という歓声もあちこちで聞こえてくる
この状況はとにかく大勢の人が慌てふためく。だってぶつかると大惨事だから・・・
もう自分の力で止まることができない牛がたくさん押し寄せる~!
これぞまさしく牛たちの雄叫びが聞こえてきそうだ。ぼんやりしている時間は全くない。
高い位置から見下ろすと牛は猛スピードで走っていることがわかる
このように、高い位置に昇って、真上から撮影すると、牛がものすごい勢いで走っていることが伝わってくる。
この角度から写真撮影するとより牛たちの勇ましさが伝わってくる
堂々とした姿で道を駆け抜ける雄牛の姿を、別の角度から撮影すると、こんなに勇ましくて迫力があることが伝わってくる。こんなシャッターチャンスは滅多にないのだから、何とか撮れたら額縁に入れて飾っておきたい。
鋭い角が着ている服に引っかかって引きずられてしまうこともあるのだ
こういうこともあり得るのだ。
わぁぁぁああああああああ・・・・・!!!追いつかれる~!!!
どんどん牛が勢いよく人間を追いかけてくる。これぞ、牛追い祭りにふさわしい。
必死に牛から逃げているだけでもスリルを味わえるので十分に楽しい!
追いかける牛から逃げるのは一苦労だが、なぜか不思議なことに、楽しさがこみあげてくる。それはスリルを味わえて、一つの祭りを成し遂げているからだと感じられる。
祭り当日には、アパートの窓からほとんどの十人が顔を出す
お祭りの当日は、何が何でも盛り上がってしまうので、高層アパートで暮らしている人は、窓から顔を出して祭りを応援する。この光景はサンフェルミン祭りでなくては決して見られない光景だ。
数えきれないくらい集まった群衆は、赤いスカーフを掲げて賛美歌を歌う
先ほど述べたように、開会式の日には数えきれないくらいの人が集まる。そこでは折りたたんだ真っ赤なハンカチを掲げ、堂々と見せつけているが、清らかな心になる賛美歌も歌って、開会式にふさわしい体裁に整える。
まだ幼い子供だって、祭りに参加する権利は十分にある
サンフェルミン祭りは大人しか参加できないという決まりはなく、まだ幼い子供も参加してよいと決められている。さすがに子供は追いかけてくる牛から逃れられないので、このように大人一緒に街を練り歩くことが多い。
さらには、パレードも繰り広げられて、祭りはさらに盛り上がる!
ものすごい迫力がにじみ出ているどでかい王族の人形が練り歩く!
高さ40m、重さ約60Kgもある巨大人形のパレードは、サンフェルミン祭の余興として行われる。さらに人形は150年以上もの歴史がある。そして祭りが終わると、人形は燃やされるのだ。
先ほどと同じ大きさがある一般人を模った人形もパレードに参加する
牛追い祭りから少し休憩の意味が込められていて、何だかユニークさがひしひしと伝わってくる。色んな人形が行進を成していると、まるでメーデーという祭典のようにも見える。
楽しい音楽を奏でてくれる鼓笛隊のパレードも参加して祭りを盛り上げる
小太鼓、クラリネット、トランペットなどを演奏する鼓笛隊の列も、サンフェルミン祭に参加する。楽しい演奏が、さらにお祭りを盛り上げる。
出典:www.abc.es
そしてパレードの佳境にさしかかってくると偉大なるお神輿も担ぐ!
この祭りの礎となった、聖フェルミンの大きな胸像を乗せたお神輿のような物を担いで、通りを練り歩く。
本物の馬及び大きなオブジェも練り歩いてますます祭りをヒートアップ!
人間が作ったオブジェだけではなく、馬も行進に参加することから、より盛大に祭りを盛り上げたいという気持ちが伝わってくる。
祭りは楽しそうな歓声があふれているが、危険も伴う
出典:mundoqro.com
このように人がたくさん群がっている所に牛が乗っかってくることもある
牛は興奮状態にあるので、このようにずっしりと乗る場合がある。当然牛自体すごい重さがあるので、乗られたらひとたまりもない。
必死になって逃げ惑う人に巻き込まれて思わず転倒する恐れもある
牛に追われている人々は、ほとんどが周りのことを意識していない。なので、ぶつかって転倒してけがをする恐れもある。
出典:www.rtve.es
鋭い角を持った牛に突き飛ばされることもあることも念入りに覚悟してほしい
とても痛いだろうな・・・牛と言うより、猪突猛進のイノシシである。
このような状況になったらもうどうにもならない絶体絶命の大惨事になる
これでは牛追い祭りではなく、牛追われ祭りだと感じる。間近に迫ってきたら、ひゃああああ~!!!と言う声が聞こえてきそうだ。
現在のサンフェルミン祭りは、牛を使わずに「大きな玉」に追いかけられる?
高い所から見た開会式の様子はまるで何かのCMを撮影しているように見える
大きい直径を持つ、黄色や白のボールがあることがおわかりだろうか。やっぱり獰猛な牛を使うと、毎年大けがする人が絶えないため、このようなボールを使うという試みが出てきている。なお、ボールには牛の顔が描かれているのもある。
大きな直径の玉に牛の絵を描いて、転がして街を駆け巡るという方法もある
伝統のあるサンフェルミン祭りは、スペインらしさが出ていることでも有名だが、その反面、荒れ狂う牡牛に人を追わせる行為が牛への虐待だという動物愛護団体の声が挙がり、打本物の牛ではなく大きな直径の玉に牛の絵を描いて転がすという動きも出ているのだ。