西安の兵馬俑は観光目的にも最適な中国の世界遺産
中国・西安で見逃してはならない名所と言えば、世界遺産にもなった「兵馬俑(へいばよう)」である。 これは、始皇帝の陵墓の周りに埋葬された、兵士や馬の形の石像を差す。そして石像は1つ1つ表情が異なり、たくさんの数に圧倒されるに違いない。
中国・西安で見逃してはならない名所と言えば、世界遺産にもなった「兵馬俑(へいばよう)」である。 これは、始皇帝の陵墓の周りに埋葬された、兵士や馬の形の石像を差す。そして石像は1つ1つ表情が異なり、たくさんの数に圧倒されるに違いない。
LIKE
0
世界八大奇跡の一つでもある、中国・西安の「兵馬俑」
世界を驚かせて中国が誇る世界遺産としても認定された「兵馬俑」とは?
古代中国では死者を埋葬する際に、兵士や馬を模った瀬戸物の人形・俑(よう)を一緒に埋葬していた。これは、民間人でも貴族でも皇帝でも同じだったが、今回の「兵馬俑」は、中国初代秦の始皇帝に対する、陵墓の副葬品を示している。1987年にユネスコの世界文化遺産に登録され、観光ツアーの場所にも選ばれている。
こちらは中国に秩序をもたらして統一したことでお馴染みの始皇帝
中国の最初の皇帝である始皇帝は、あらゆる政治改革を行い、万里の長城を築いたことで有名である。そしてその強大な力で大きな陵墓を建て、たくさんの兵馬俑とともに埋葬された。
楊志発(ヤン・シファ)さんという農夫があの壮大な兵馬俑を発見した
1974年、干ばつがひどくて、井戸を掘ることにした楊志発(ヤン・シファ)さんは、彫り進めていくうちに実物大の兵士の像を発掘した。それが、当時の歴史を物語る「兵馬俑」だった。
やはり真正面から見るとずらりと並んでいる兵馬俑の迫力が伝わる
2万平方km以上の土地に、3つの俑坑(溝)があり、その中に武士俑が8000、戦車俑が100、陶馬俑が600も納められていた。これだけ密集していると、重々しい迫力を感じる。
じっくりと顔を見てみると一体一体それぞれ表情が異なるのがわかる
俑の表情はみんな同じだと思っている方、それは大きな間違いである。見てわかる通り、俑の表情は1つ1つ異なっているのだ。これだけ異なっていれば、より威圧感が増す。
全ての兵馬俑は元々極彩色だったが長い年月によって完全に色あせた
ちょっとよく見てみると、うっすらと色が付いているのがおわかりだろうか。元々兵馬俑は、1個1個すべて色が塗られていたのだ。しかし、埋葬と長い年月によって、色は消えてしまった。
当時の様子がそのまま残っている、広大な「一号坑」
1号坑が一番大きくて6000千体を超える兵士の像が並べられている
兵馬俑を展示している場所は1号、2号、3号に分割されていてやはり1号坑が一番大きくて多くの人が圧倒されている。そしてこの場所は現在も復元作業が毎日のように行われている。
1号坑は兵馬俑の数が一番多いだけではなく全て敵国があった東を剥いている
全ての兵馬俑はただ数が多いだけではなく秦の敵国だった東を向いている。そして、埋葬された当時の場所や発掘したままの様子を温存している。
兵俑と戦馬の勇ましい姿は今でも戦いに向かうという印象にあふれている
三頭の戦馬と戦車を引いて、戦いへ向かう兵士の姿が残っている。ちなみに同じく戦いに使った戦車は木製なので腐敗してしまってもうない。
戦いに使われていた武器の弩(いしゆみ)が形を留めて現存されていた
1号坑の三回目の発掘で、戦いに使っていた武器の弩が見つかった。形は当時と同じ状態を保っていて、ブロンズ製でできていて曲げ長さ145cm、長さ130cmということがわかった。
「2号坑」や「3号坑」も、歴史を伝える重要な役割を果たしている
今でも大切に温存されている緑色の顔をした緑面俑はなかなか貴重
珍しい緑色の顔をした、貴重な像。なぜこのようになったのかは今でもわからないが、保存は良好な方なので慎重に運ばれて、他の博物館で展示されることもある。
2号坑で見つかった片膝でしゃがんで攻撃に備えていた持ち膝撃ちの兵士
敵を狙撃する、弩(ゆみ)を持った兵士は、跪いて構えていることが多かった。なお、そのとき使っていた弩は木造なので、腐敗してしまってもうない。
3号坑を見てみると指揮を出して作戦部隊を動かしていた様子がうかがえる
3号坑は小規模だが、指揮を出して作戦を与えたという、重要な歴史の遺跡を残している。
こちらも3号坑の見所となっていて当時の様子が伝わってくる秦軍の縮小図
3号坑は、兵俑が58体、戦車が1体、戦馬が4体という秦軍の縮小図が温存されている。
色彩の残りがわずかになってしまっても兵馬俑たちの勇ましい姿は変わらない
2200年以上も地面の中で眠っていたので、発掘されてから空気で酸化して色あせてしまった。しかし例え色がなくなっても、兵馬俑の勇姿は変わらない。
たくさんの馬に引かせて動かしている銅製の馬車はとても素晴らしい
発掘してから8年間もの間、修復した。馬に引かせながら道を渡った馬車の様子がうかがえる。
たくさんある兵馬俑の1つ1つには、色んな種類・役職がある
兵馬俑の中で数が少なく10体にも満たないが十分な貫禄がある将軍俑
高さ:196cm 、重さ:240kgを持ち、鳥の尾状の帽子を被る。まるで三国志や水滸伝に登場しそうな威厳を持っている。
1号坑で発見された木製の戦車を引っ張るという役割を担っていた御手俑
戦いに使う戦車を、リヤカーのように運ぶ兵士。肝心の洗車は、木製なので腐ってなくなってしまった。
常に膝をついて攻撃に備えていた跪き射り俑もなかなか凛々しい姿だ
膝を地面につけて弓を撃つ兵士。以前の写真を見てわかる通り、当時の弓は矢を引くのではなく、ボーガンのような感じだった。
兵士俑や歩兵俑とも呼ばれていて軍団の中で最も多くいたとも言われる武士俑
埋葬されている兵馬俑の中で、最も多いのがこれ。一人一人が、国を守るために勇ましく戦い抜いた。
歩兵俑とともに並んでいる数が少なかった騎兵俑も立派な威厳があった
左は馬に乗る騎兵俑で、右は歩兵俑である。どちらも戦いで大いに役立ってくれたと感じる。
兵士たちとともに命を懸けて戦い抜いた心強い仲間・戦馬も忘れずに
馬だって、戦いで大切な仲間だ。その馬を模った像ももちろん収められている。
歴史と威厳を伝える・兵馬俑への観光案内地図
今回のテーマとなっている兵馬俑があるのは中国・西安(シーアン)
兵馬俑があるのは、中国・西安の地方だ。日本から西安への直行便はないため、まず北京へ渡り、そこから中国陝西省(せんせいしょう)の西安に飛行機でいき、北東30kmへ行くと、兵馬俑へたどり着ける。
咸陽(かんよう)空港からバスで2時間で渡れるルートも備えている
ルートは他にもある。北京から咸陽空港まで渡り、そこから運航しているツアーバスで2時間かけて行くと、秦俑(しんよう)博物館=兵馬俑に到着する。