北京・頤和園のまとめ!中国の世界遺産の観光名所
中国の首都・北京で観光旅行をするなら、「頤和園」は外せない。穏やかな風景、歴史ある建物、風に揺れる水面など、感動を誘う光景があふれていて、旅の思い出になる。中国の古い時代の歴史と文化を噛みしめながら観光したい。
中国の首都・北京で観光旅行をするなら、「頤和園」は外せない。穏やかな風景、歴史ある建物、風に揺れる水面など、感動を誘う光景があふれていて、旅の思い出になる。中国の古い時代の歴史と文化を噛みしめながら観光したい。
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多くの観光客を魅了する、「頤和園(いわえん)」の歴史
中国屈指の名園とも言われる北京の広い観光名所・頤和園(いわえん)
頤和園とは、清の繁栄期である朝乾隆帝が15年間かけて建立された庭園公園である。中華民国が成立すると、有料で一般の方へ開放していたが、中国最後の皇帝・溥儀が紫禁城から追い出されると、無料の公園となった。そして1988年に、ユネスコの世界文化遺産として登録された。
以前は全く違う名前だったが修復・再建によって現在の名前になった
最初は、清漪園(せいいえん)という名前だった。アヘン戦争の勃発で上陸したイギリスとフランスの軍隊によって、清漪園は荒廃し、焼失してしまった。1888年に慈禧太后が、海軍の軍費を使って清漪園を修復。それに伴い名前を「清漪園」から「頤和園」に変えた。
出典:www.ce.cn
名前を改めた後も戦争で破壊されて何度も修復して観光名所にふさわしい場所に
頤和園になってからも戦争は続き、その度に園は破壊された。1949年から中国政府は、再び費用を捻出して修復していた。そして中国の典型的な庭園芸術として現在に至っている。
園内には、歴史を物語る建築物がたくさんある
乾隆帝が創建して中には千手観音も置かれている仏香阁(ぶっこうかく)
この庭園の目玉でもある、高さ41mの塔。これは観光では見逃せない。20mもの石の土台の上には、3階建ての8角形の塔がそびえていて、一番下の麓(ふもと)から見上げると、圧倒される。
頤和園の中で最も大きい湖で散歩道や橋もある昆明湖 (こんめいこ)
220ヘクタールの面積を持つ、頤和園で最も大きい湖。水は北京郊外から泉水を引いてきている。東堤、西堤、南湖島、十七孔橋などの素晴らしい景観が水面(みなも)にある。
仏香阁の上から見下ろすことができる昆明湖全景は実に素晴らしい
先ほど紹介した仏香阁の上から、昆明湖全体を見渡すことができる。高い所から見る景色は、実に素晴らしい。
ここも絶対に見ておきたい名所となっている排雲殿 (はいうんでん)
中国唯一の、最大最大の古代庭園でもある。主に西太后の誕生日の祝賀などの儀式に使われ、避暑地としても有名な場所だった。
昔から現代までずっと京劇が披露されてきて貫禄がある徳和園の大戯楼
西太后が演劇を見るために建てた劇場。中には色々な装置があって背景を変えられたり、俳優の移動が簡単にできるようになっている。現在でもここで、歴史的文化の劇が披露されている。
いくつもの交差点や曲がり角があってどこまでも続いている長い距離の廊下
全長728mの距離と548本もの柱で構成した長い廊下。梁にはテンペラ(卵液を混ぜた絵画技法)が14000作品もあり、ギネス世界記録に認定された。
チベット式建築を生かしている寺院・智慧海(ちえかい)は極彩色
海ではなく、万寿山の山頂にある寺院のことである。一見木造に見えるが、しっかりとした石造なのだ。そしてここから北側を、后山后湖景区と呼ぶ。
元々は離宮だったが後に皇帝の居城となった清晏舫 (せいあんぼう)
またの名を「石舫」とも言う、水に突き出ている舟の形をした建造物。全長36mもあるこの建造物は、大理石で作られている。一見中国風に見えるが、中に入ると西洋の舞踏会のように鏡が貼られていて、ステンドグラスの窓がある。
第11代皇帝・光緒帝が政務を執り行った玉瀾堂 (ユーランタン)
西太后から政権を取り上げられた光緒帝が監禁された場所。中にある家具は、再現のために新たに置かれたものではなく、全て当時使われていたものがそのまま残っている。
小さいが中国庭園の中でも最高傑作と評価されている獅子林(ししりん)
元の時代に造られ、蘇州四大庭園の1つとして存在していて、約0.9ヘクタールの面積を持つ庭園。
湖に直面している夕佳楼から空を真っ赤に染めた沈みゆく夕日を堪能
昆明湖に直面した、夕佳楼という建物からは、美しい夕焼けが見られる。乾隆帝 という皇帝は、66回もここに来たが、夕日を一回も見れなくて、その残念な気持ちで詩を作った。
清の乾隆帝が母の長寿を祝って名前を付けた万寿山(まんじゅさん)
高さ60mの山の麓には、昆明湖、排雲殿、仏香閣、智慧海などこれまで紹介してきた園内の名所がある。そして昔はこの一帯で、馬の放牧をしていた。
中国が誇る伝統建築を生かしている門・牌楼(はいぼう)は潜っておきたい
漢族が残した伝統的できらびやかな建築物。日本の横浜中華街にも、このように豪華な鳥居のような門がある。
これも乾隆帝が建てた全てが銅でできている宝雲閣 (ほううんかく)
ちょっと京都の銀閣寺に似ていて、7.55mの高さを持ち、木と207トンの銅でできている。さらに屋根の上には怪獣の彫刻が施されて、壁には4人の英雄の名前が彫られている。
東洋のベニスとも言われている魅力的な街並み・蘇州街 (そしゅうがい)
江南地方の水郷を参考にした、60以上の店舗が集う街並み。かつては色んなものを売る宮廷市場だったが、現在は土産物を売るなど、観光客相手の店が集まっている。
きれいな紅葉や何本もも木々を映し出す透き通った後湖も見逃せない
頤和園には、後湖という広くて透き通った水の湖がある。水面には、きれいな紅葉の木々や柳の木が、鏡に映したように映る。
広い葉っぱと一緒に水面に浮かぶ園内の蓮(はす)は心を和ませる
頤和園を広範囲で占めている、湖などの水面には、蓮の花と葉っぱが浮かんでいることも多い。華麗に咲く花が水に浮かぶ光景は、とても美しい。
いくつものアーチで支えられている十七孔橋 (じゅうしちこうきょう )
なだらかな曲線と、17個のアーチで構築した、多くの人が行き来する橋。中国古代漢橋の傑作でもあり、清朝乾隆帝が建造した、園内最大の石橋なのだ。
十七孔橋の両端に同じ感覚を空けて並んでいる獅子の形をした小さな石像
橋の上には、獅子のような石像が544個もある。これだけあれば150mもある長い橋を守ってくれそうだ。
頤和園の中で一番込み合いやすいと言われている仁寿殿 (じんじゅでん)
正門をくぐった後にある、仁寿門の奥に位置する建物。主に皇帝が、大臣の謁見を行うのに使用していた。中には、当時使われていた数々の遺品が納められている。
仁寿殿前にある奇妙な生き物の銅像は訪れた人全てに印象を与える
頭は龍、尾は獅子、角は鹿、足は牛、全身を鱗で覆っている想像上の伝説の生き物が、銅像になって仁寿殿の前にある。なおこの生き物は、中国では善悪を見分けられると称えられている。
今では美味しい宮廷料理を出すレストランとなっている听鹂館 (ちょうりかん)
遥か昔は、慈禧太后が古代の劇を見るのに使っていた。現在は宮廷料理専門のレストランとなっていて、一般開放している。観光を楽しんだ後は、ここで食事しても悪くない。
日本から頤和園を観光したい時に覚えておきたいこれらのルート
北京国際空港から頤和園まで36.7kmで色々な交通手段も出ている
日本から出ている直行便で北京に渡り、空港から36.7㎞の距離で頤和園にたどり着ける。また、北京中心部から西北に10km移動しても行ける。