シンデレラは100年以上前に翻訳されて「おしん物語」と呼ばれていた!※ NHKのおしんとは別物‏

シンデレラは100年以上前に翻訳されて「おしん物語」と呼ばれていた!※ NHKのおしんとは別物‏

子どもから大人まで知られている童話「シンデレラ」、それは外国風の内容だけではなく、日本風の内容もあることを知っているだろうか。やっぱり日本風にアレンジすると、西洋版とは一味も二味も異なることがわかってくる。

2018.1.4 UPDATE

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まずは世界中で愛される名作・シンデレラの大まかな内容を紹介!

出典:www.poplar.co.jp

きれいなドレス、カボチャの馬車、立派なお城が印象的

多くの子供たちに愛されていて、たくさんの絵本となっていて、ディズニーでも取り上げられた「シンデレラ」の話の内容は、説明すると以下のようなあらすじになっている。

シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられていた。
あるとき、城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。
舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白鳩など)が助け、準備を整えるが、12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
シンデレラは、城で王子に見初められる。
12時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。
王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。
姉2人も含め、シンデレラの落とした靴は、シンデレラ以外の誰にも合わなかった。
シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。

出典:ja.wikipedia.org

100年以上前に「日本バージョンのシンデレラ」が作られていた!

坪内逍遥(つぼうち しょうよう)

おしん物語をこの世に生み出したのが、坪内逍遥という明治時代に活躍した文豪だ。ちなみに彼の代表作は、『小説神髄』や『当世書生気質』などで、シェークスピアの数々の物語を翻訳して来た。

出典:doramapuro.xyz

一般書籍としてではなく、教科書に載っていた

日本で「シンデレラ」が伝わったのは、明治時代の頃で、一般的な書物ではなく、小学校の教科書「国語読本高等科女子用」に収められて、題名は「おしん物語」であった。

橋田壽賀子脚本・おしんとは全く関係ない

なお、橋田壽賀子が脚本したドラマ、「おしん」とは全く関係ない。しかし主人公が召使のように働かされて、いじめられるところや、苦難を堪え忍んでいるところは「おしん」の共通点であることには変わりない。

物語の内容は西洋版シンデレラとほぼ同じだが、 日本風にアレンジしているところもある!

ドレスを始め、ありとあらゆるものを和風に

「おしん物語」では、シンデレラに出てくる「ドレス」「ガラスの靴」「魔法使い」「王子様」「舞踏会」という洋風の言葉が出てきても、当時の日本人の読み手には「何のこと?」と思われてしまう。だから作者は、出てくる道具などは日本のものにしようと考えた。それが、以下の通りだ。

ドレスは、絹でできた着物

先ほどのようなきれいなドレスは、シンデレラには欠かせない逸品となっている。しかし、おしん物語はあくまで和風がコンセプトなので、あのようなドレスは出せない。だから絹でできた立派な着物がドレス代わりとなっている。

魔法使いは、弁天様

シンデレラを美しくしてくれる魔法使いは、七福神の一人・弁天となっている。琵琶という弦楽器を持っていることが有名で、あちこちの神社で祀られていることも多い。

出典:anythingdic.net

ガラスの靴は扇子

シンデレラの物語で重要な役割を果たす、ガラスの靴は何と扇/扇子となっている。なぜこのようなものになったのかは、後程詳しく説明する。

王子様は、華族の若君

びしっと正装を決めた、シンデレラと結ばれるお城の王子様は、身分がよいとされる華族の息子・若君となっている。こちらでも服装はもちろん、器量も整っているに違いない。

出典:mainichi.jp

舞踏会は、今でも行われている園遊会

立派な造りのお城で行われる舞踏会は、今でも皇族が催している「園遊会」。ここでは数々の著名人が集まって、お食事をしたり楽しく懇談することで有名である。

出典:mr-coo.com

魔法が解ける時間は、夕方の6時

魔法使いにかけられた魔法が解けて元に戻る時間は、シンデレラでは午前0時だったが、おしん物語では本日の午後6時となっている。そのように変更した理由は不明だが、できれば夜も楽しめるように、終わる時間をもっと長くしてほしいと感じる。

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おしん物語の、肝心のラストシーンはどうなったか

手がかりは、「扇」と「その模様」

「シンデレラ」のラストシーンは、王子様がシンデレラの忘れたガラスの靴を頼りに、町を歩き回りシンデレラを探し求める。しかし、「おしん物語」では、若殿がおしんが忘れた「扇」を頼りに、おしんを探す。探す方法は、女性一人一人に閉じた扇を見せ、「この扇の柄は何ですか」と尋ねた。
(ちなみに写真の扇は、物語で出てくる扇ではない)

なぜ靴ではなく、扇なのか

なぜ、靴などの履物ではなく扇だったのか。その理由は明治時代には、靴が一般的に広まってなくて、ましてや、みすぼらしいおしんが履くはずがない。だからといって、日本が誇る履物である草履や下駄だったら、サイズ関係なく誰でも簡単に履くことができてしまう。

出典:hon.bunshun.jp

だから作者の坪内は、扇を思いついた

結末の部分を日本風にするならどうしたらよいかと、作者の坪内逍遥は悩んで、ようやく思いついた。「持ち主なら閉じている扇の柄をぴたりと当てることができる。」と・・・そしておしんは、質問に対し「この扇の柄は、白波と菊の模様です」と答え、宮殿の若殿と結ばれることになった。めでたしめでたし。

「おしん物語」の参考資料サイト


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