沈む島「ツバル」の海面上昇/水没に人的要因が影響!?

沈む島「ツバル」の海面上昇/水没に人的要因が影響!?

「南太平洋の小さな島」はいくつかあげられるが、「ツバル」という島をご存じだろうか。楽しむためはもちろん、私たちが気づくべき「環境問題」を考える旅の目的地にもなる島、「ツバル」の真実を紹介する.

2019.12.3 UPDATE

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サンゴ礁でできた、南太平洋に浮かぶ島国・ツバル

世界で4番目に小さい島でイギリス連邦加盟国となっているツバル

南太平洋、赤道の下に位置する、サンゴ礁でできた島国。首都はフナフチ、面積は26㎢、海抜は最高で5m程度。島の人口は約1万人、言語は英語とツバル語が使われており、95%はキリスト教を信仰している。気候は、熱帯海洋性気候で、3~8月が乾期で、9~2月が雨季に分けられる。

出典:placesbook.org

赤道よりも下にあってオーストラリアなどが位置するオセアニア州に位置する

世界地図全体から見ても、ツバルは非常に小さい島国であることがわかる。赤道よりも南にあって、近くにある有名な島国と言えば、オーストラリアやニュージーランドといったオセアニアを代表する国である。

これがツバルの国旗となっていてオーストラリアやニュージーランドの物に似ている

オーストラリアやニュージーランドのものと同じように、左上にイギリスの国旗があって、太平洋を示す水色の部分にある星は国を構成するツバルの島々を表している。

ツバル現地ではツバル・ドルというなかなか面白い形をした通貨が使われる

ツバルで使われる通貨は、ツバル・ドルと呼ばれている。価値はオーストラリアの通貨・オーストラリア・ドルとほぼ同じで、紙幣や貨幣ともにオーストラリア造幣局が作っていて、日本では見られない、正九角形の貨幣もある。

首都であり、ツバル唯一の都市である フナフチ

出典:dxnews.com

首都であるフナフチは本当はフナフチ島という島で成り立っている

ツバルの首都・フナフチは総面積約2.4㎢と、30もの小島からなる環礁で成り立っている島にある。この島はツバル最大と言われていて、行政官庁やホテルが集中しており、ポリネシア人の島民がたくさん住んでいる。

それほど大規模な建物ではないと言えるフナフチ空港も素晴らしい

ツバルの首都、フナフチにある国内唯一の空港の周りには、銀行、政府オフィスビル、国営ホテルなどがある。しかし、それ以外の目立つような建物はなく、道を通る車の数も極端に少ない。他の国の人から見れば、魅力がなさそうに見えるが、ここはれっきとしたツバルの首都であり、南太平洋の他の島々から多くの人がやって来る。

街には街灯なんてないので、夜はすっかり暗くなる

ツバルの街には、夜になると明かりを灯す街灯なんて一切ない。だから人々は夜に出歩く時は懐中電灯やランプを持って移動する。そして観光客はできるだけ暗い夜道に出歩かない方が良い。

しかし、今その島は、水没の影響を受けやすい

出典:econews.com.au

国土全体がサンゴ礁でできているので海面上昇で民家は簡単に水没する

ツバルは、海抜も低く、隙間のあるサンゴ礁でできている島であるため、海面が上がることによって、洪水、海水が浸水し、畑では塩害も起こっている。水没が起こる理由は、実は、多くの人が口をそろえて言う「地球温暖化」によるものではないということが近年明らかになった。では、原因は何かと言うと、エルニーニョ現象などの海洋の変動の影響を強く受けていることが発表された。

出典:econews.com.au

なおツバルの水没の原因は海面上昇以外にもまだまだたくさんある

ツバルが沈むもう一つの原因は「人為的な開発」もあげられる。現在、いつ沈むかわからないこの小さな島を一度訪れようと多くの観光客が押し寄せ、それらに対応するための大規模な整備工事を、もともと頑丈ではないこの島に行って、地盤がさらに脆くなって、海水が染み込みやすくなり、自ら沈む状況に陥っている。という説がある。

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水没が危惧されている南太平洋の島は、ツバルだけではなかった

同じくオセアニア州に位置するキリバスも沈むことを懸念されている

33もの環礁から構成されていて、南太平洋に浮かぶ島国・キリバスもツバルと同じように、いずれ水没によって沈んでしまうのではないかと懸念されている。ちなみにツバル、キリバスともに沈んでしまったら、フィジーという島が移民を受け入れると宣言している。

ツバルを水没から救うために、様々な活動が行われている

あちこちから出たたくさんのゴミを処分するための廃棄物処理啓蒙事業

またツバルでは、ゴミに関する問題も多い。その理由は、より稼げる仕事を求めてツバル本島へ移動した人や食料の輸入が増えて、それによって大量のゴミが出て、あちこちに捨てられている。ツバルには処分施設がなく、ゴミ問題も重視しないツバル政府にも問題がある。

出典:phys.org

細々とした星の砂を使って水没を防ぐフォーラム・サンド・プロジェクト

沖縄県のお土産として知られる「星の砂」。実はそれは「有孔虫」という原生生物の抜け殻なのだ。その殻が石化して島を作る場合もある。今ツバルでは、この有孔虫を繁殖させて、島の水没を防ぐという計画が進められている。有孔虫が暮らしやすい環境を作ったり、水槽で繁殖させるという取り組みが積極的に行われている。

日本からツバルに行くには、どうしたらよいか

一旦オセアニアのフィジー空港に渡ってそこから乗り継ぎする必要がある

現状を調査するために、ツバルへ向かいたいという人は多い。しかし日本からツバルへは残念ながら直行便がないので、フィジーにあるナウソリ空港へ向かって、そこから船や飛行機を使ってツバルに向かうことが必要となる。


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