【サン・ピエトロ大聖堂】 カトリックの聖地 ローマ・バチカン観光はここ!
イタリア国内には、世界で最も面積が小さくて、国全体が世界遺産となっている「バチカン」という国がある。その国はカトリックを厚く信仰しており、観光名所でもある「サン・ピエトロ大聖堂」がそびえる。そこは、ただ大きいだけではなく、壮麗な芸術を内部にあしらい、見た人の心を打つ大聖堂だということを紹介する。
イタリア国内には、世界で最も面積が小さくて、国全体が世界遺産となっている「バチカン」という国がある。その国はカトリックを厚く信仰しており、観光名所でもある「サン・ピエトロ大聖堂」がそびえる。そこは、ただ大きいだけではなく、壮麗な芸術を内部にあしらい、見た人の心を打つ大聖堂だということを紹介する。
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バチカンを象徴する、敬虔な見どころ「サン・ピエトロ大聖堂」
「バチカン市国」は世界一面積が小さいだけではなく、カトリックを深く信仰する国でもある。
そして何より、世界で最も大きい教会堂「サン・ピエトロ大聖堂」が敬虔にそびえている。
バチカン市国の目玉となっている観光名所 サン・ピエトロ大聖堂
この世で一番の規模を誇る、キリスト教・カトリックの教会。4世紀に、亡くなった初代ローマ法王・ペテロの魂を慰める場所として建立。一度は完成したが、芸術家たちがあれこれ手を加えて改良し、1626年に完成した。現在の規模は、総面積は49,737m²で、高さ約120m、最大幅約156m、長さ211.5mである。
現在はローマ法王や教皇が暮らす住居となっている礼拝堂・バチカン宮殿
サン・ピエトロ大聖堂の北側にある、広大なローマ法王・教皇の住居。しかもここは、圧巻な芸術を展示する美術館や、歴史を伝える博物館、さらには広々とした絵画のギャラリーや図書館の役割を担っているのだ。
なぜこの大聖堂とバチカンがカトリックの総本山になったのか その理由に迫る!
1939年、ある人物の墓が見つかりました。
長い間、不明になっていた聖ペテロの墓です。
聖ペテロは、イエス・キリストの最初の弟子。
キリストの死後、布教の先頭に立ちましたが、ローマ皇帝の迫害にあい、西暦64年にバチカンの丘で処刑されました。
その後、キリスト教がローマ帝国で公認され、ペテロの墓の上に建てられたのが、サンピエトロ(イタリア語で聖ペテロ)大聖堂です。
ペテロがいなければ、世界にこれだけキリスト教が広まることはなかった……
カトリック教徒の中ではそう信じられています。
ローマ帝国が繁栄していた時に、各国から色んな宗教が伝播した。
もちろんキリスト教も含まれているが、皇帝はそれに対してあまりいい顔をせず、信者を弾圧した。
しかし信者はくじけることなく、地下に集会所を作り、信仰を貫いた。
4世紀になると、やっとキリスト教が国内で認められるようになり、段々とキリスト教を深く信仰するようになった。
さらに、ルネサンスの時代になると、ニコラス5世という法王が、サン・ピエトロ大聖堂やその周辺の施設を、より芸術的に改良することを命じた。
内部は、神聖なるカトリックを重んじる装飾が豊富!
入り口も付いていて高い位置にあるドーム型の窓は光が差し込んでくる
ドーム型の屋根に差し込んでくる光は、讃美歌と調和しそうで、まさに人々を照らす神の光で、その光は鬱屈とした暗闇を晴らし、希望を与えてくれるに違いない。そして、その廊下は215mもの奥行があるので、これは「聖なる道」と例えられそう。
深い愛がにじみ出ていて一度見ると誰もが感動すること間違いなしのピエタ像
大聖堂の中に入ってすぐ右にある。イタリア盛期ルネサンス期の彫刻家・ミケランジェロが作った彫刻。カトリックを象徴するイエス・キリストを、聖母マリアが抱いている様子が、大聖堂とよく調和しているのがわかる。ちなみにピエタとは、イタリア語で哀れみ・慈悲という意味が込められている。
ローマ7大聖堂の一つとしてあがめられている聖セバスティアーノの礼拝堂
小さいけれどローマ7大聖堂の1つとなっている。完全なるカトリック信者でないと上がることができない祭壇があって、そこには花がきれいに飾られている。中をじっくりと観察してみると、聖セバスティアーノを称えるような絵画や像などもたくさんある。
毎日たくさんの人が祈りをささげにやって来る聖ペテロのブロンズ像
聖ペテロはイエス・キリストの最初の弟子で、初代の教皇である。世界にキリスト教を伝播した彼を尊重するためにこの像が作られた。世界中からバチカンに訪れてきた観光客は、このブロンズ像に触れたり祈りをささげたりして、旅の思い出を作っている。
ドーム状のような天井にもなっている大天蓋(おおてんがい)の下にある
聖ペテロはイエス・キリストの最初の弟子で、初代の教皇である。世界にキリスト教を伝播した彼を尊重するためにこの像が作られた。世界中からバチカンに訪れてきた観光客は、このブロンズ像に触れたり祈りをささげたりして、旅の思い出を作っている。
遺骨が大勢の信者の前で公開されたこともある神聖な聖ペテロの墓
先ほど紹介した大天蓋の真下に、聖ペテロが眠っている。もちろんここも一度でいいからあがめておきたい神聖な場所になっていて、多くの人が参拝に訪れる。ちなみにサンピエトロ大聖堂敷地内の広場で、箱に収まった聖ペテロの遺骨が公開されたこともあり、数万人の信者が訪れた。
教皇権の象徴も兼ねている聖ペテロの椅子は入ってくる光でより輝く
またの名を「カテドラ・ペトリ」と言い、ローマ・カトリックにおいての頂点に立っている教皇のシンボルとなっている。これも大天蓋を作り上げた建築家・ベルニーニによって考案されて、教皇だけしか座ることができない神聖な椅子。あちこちに芸術的な装飾が加えられて、ステンドグラスから神聖な光が差し込んでいる。
まるで神々しい光が降り注いでいるようにも見える鳩のステンドグラス
先ほどの司教座の上の方は、平和の象徴である鳥、鳩が眩しい光を放つようにステンドグラスとしてある。これは周りにある黄金の装飾とよく調和して、太陽の光が差し込んでくると、まさに神々しい印象が生み出される。
アレクサンダー7世の記念碑だってこの大聖堂の中に収められている
ローマ教皇の一人で、ローマの大英雄とも言われているアレクサンダー7世は、大天蓋や教皇の椅子を築き上げたベルニーニのパトロンとなり、イエスズ会への思い入れが強かったと言われている。その威厳と迫力が伝わる石像が、この大聖堂の中に収められている。
大聖堂の前には、聖人が見守る「サン・ピエトロ広場」が広がる!
ローマのコロッセオをヒントにして造り上げたサン・ピエトロ広場
1656-67年に建設され、バチカンに来たら聖堂とともに必見となる名所。近くにはバチカン美術館があって、城壁の外側は何と750メートルもある。写真はサン・ピエトロ大聖堂の屋根から撮影した光景となっていて、284本の柱が、円形の広場を取り囲み、その上に140体の聖人の像で装飾していて、これもまたベルニーニが考案している。
高くそびえ立っている塔のような記念碑・オベリスクも素晴らしい
オベリスクとは、古代エジプトから始まって、あちこちの神殿などに建てられた、記念碑型モニュメントのことを指す。そしてサン・ピエトロ広場で忘れてはならないのが、何と言っても真ん中にそびえ立つ巨大なオベリスクで、なぜ建てられたのかという由来はわからないが、25.5mの高さを誇り、エジプトから輸入したと言われており、東西南北からの角度によって、印象が異なるように感じる。
そしてサン・ピエトロ大聖堂には、平和に貢献した教皇の魂も眠る
最期までキリスト教の真髄を貫いたローマ教皇 ヨハネ・パウロ2世
2005年4月にこの世を去った、第264代ローマ教皇。性格は穏やかで、たくさんの平和活動を実践し、キリスト教の倫理の真髄を人々に教え、世界中から尊敬されていた教皇は、亡くなった後も功績を称えられ、サン・ピエトロ大聖堂で眠っている。
サン・ピエトロ大聖堂造りに大いに貢献した、偉大なる建築家、彫刻家を紹介!
世界史でもおなじみのローマ皇帝・コンスタンティヌス帝も関わりがある
サン・ピエトロ大聖堂でまず忘れてはならない人物が、このコンスタンティヌスというローマの皇帝。キリスト教を容認し、多くの信者が入れるようなサンピエトロ大聖堂を4世紀に建立した。ちなみに建立の方法は聖ペテロの墓の上に建てたという方法になる。
バロック建築に大いに貢献したと言われるジャン・ロレンツォ・ベルニーニ
これまで紹介してきた、聖堂内の箇所を造り上げるのに大いに貢献したのが、このベルニーニという建築家。若いころから存分に才能を発揮し、バロック建築の巨匠とされていて、ローマで見られるあちこちの芸術的建築物は、彼の賜物(たまもの)と言われている。
聖堂の中にあるピエタやダビデ像でお馴染みの彫刻家・ミケランジェロ
世界史でもおなじみな、イタリアにおいてのルネサンス期の芸術家。レオナルド・ダ・ヴィンチにも負けないくらいの才能があって、ルネサンスの頃にはかなり絶賛された。だからサン・ピエトロ大聖堂にふさわしい、神聖な彫刻・ピエタの制作依頼が来た。
ルネサンスで一番盛り上がっていた頃に活躍した画家・ラファエロ
サン・ピエトロ大聖堂の建設中に亡くなった、イタリアの画家兼建築家。サン・ピエトロ大聖堂自体の図案も考案していて、ローマ教皇の関係者のための建造物デザインにも携わったと言われている。ちなみにラファエロの数々の作品は、大聖堂から近いバチカン美術館に収められている。
この素晴らしいサン・ピエトロ大聖堂に入る前に知っておきたい注意事項
大聖堂は、教会の中の教会と例えられているほどの、厳格な宗教施設だ。
特に、持ち物・服装に対する注意が厳しい。例をあげると以下の通りである。
・入り口で、係員によるボディチェック・荷物検査・服装チェックがある。
・ミニスカート、キャミソール、タンクトップ、ショートパンツ、ビーチサンダルなど、袖のないものや、膝丈より短い服、露出の高い服を着ていると、門前払いされる。
・そして、あまりに大きすぎるリュックサックも入場禁止の対象となる。
さらに、いくら神聖な場所だからといって、油断はできない。
・混雑している時を狙って、財布や貴重品を狙うスリが出てくることもあるのだ。
また、サン・ピエトロ大聖堂は朝の時間帯で見に行った方がよい。
・空いているという理由もあるが、朝日に照らされた大聖堂も味わい深い光景である。