ストーンヘンジはイギリス旅行の世界七不思議の遺跡
イギリスの首都ロンドンは、ビッグベンやバッキンガム宮殿など美しい建物で有名だが、観光に訪れたら見ておくべき、「ストーンヘンジ」も忘れてはならない。解明されていない謎が多いが、大きな石がきれいな円形を作っていて、写真を撮ったり、深く突き詰めてみたくなる場所であることを紹介する。
イギリスの首都ロンドンは、ビッグベンやバッキンガム宮殿など美しい建物で有名だが、観光に訪れたら見ておくべき、「ストーンヘンジ」も忘れてはならない。解明されていない謎が多いが、大きな石がきれいな円形を作っていて、写真を撮ったり、深く突き詰めてみたくなる場所であることを紹介する。
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巨大な石が成す、円形の不思議な遺跡「ストーンヘンジ」
ストーンヘンジ
イギリスの首都・ロンドンから南にあるソールズベリーという町の近郊に建っている、環(わ)のように連なって立っている石の遺跡。大きくて柱のような石の高さは最大で7mのものや、4mや5mのものもあり、直径は約100mある。ちなみにこの遺跡は、1986年に世界遺産となった。
イギリスの南に位置し、ロンドンから離れている
イギリスのどこら辺にあるのか、地図で確認してみると、首都であるロンドンから西に約200kmの所にある「ソールズベリー」という都市から北西に13kmの所に位置するのがわかる。言い換えればイギリスの南の方面にある。
いざ観光へ!遺跡の構造は一体どうなっているのか
上から見たストーンヘンジ
このように上から見ると、途切れてはいるが大きな石が円形に連なっていることが伺える。
中には、2つの石に跨る(またがる)ように1つの石が横になって乗っているものもある。このことからストーンヘンジ・日本語に訳すと「石の番(つがい)」と名前が生まれたのではないかと推測されている。
ストーンヘンジ・復元予想図
こちらはコンピューター・グラフィックスで作った、崩れる前の本来のストーンヘンジの想像図である。もし完全に完成していたら、立つ石はすべて番(つがい)で繋がって、「コロシアム」という闘技場のような形になっていたのではないだろうかと考えられている。
サーセンストーン
この場所から近い所で採石され、しっかりと大地に立てられている柱のような石。重さは平均すると25トンあり、最大で50トンの重さになるものもある。ちなみに物質は珪石(けいせき)と言う、セメントやガラスの材料にもなる石だ。
リンテル
先ほど紹介した、直立しているサーセン同士を繋いでいるように上に横たわる石。またの名を「まぐさ石」とも言い、石はできるだけ水平に置いているというのがわかる。
ブルーストーン
サーセンに囲まれた内側にある、比較的小さい石。82個あったらしいが、多くはアクセサリーに加工するために誰かに持っていかれてしまい、今では数えるほどになってしまった。ちなみに石の成分は、玄武岩と同じで、正式名称は「プレセリブルーストーン」と言う。
今日の始まりを告げるように昇る太陽も、ストーンヘンジを照らす
まだ暗い早朝にたくさんの人が集まって、ストーンヘンジが置かれた地平線から徐々に昇っていく太陽を見るというツアーも実施されている。太陽の光は遺跡の隙間からあふれ出し、今日一日の始まりを告げているようにも見える。
沈む夕陽ともよく調和する
空を赤く染めて、だんだん地平線に沈んでいく真っ赤な夕陽は、ストーンヘンジの所まで下がっていくと、まるで石と石の隙間から眩しいけれど神々しい光がこぼれているように見える。そしてこの光景は、写真に収めておきたい。
現在でも研究中の、ストーンヘンジに秘められた謎
真上から見ると、ミステリーサークルのようだ
さらにストーンヘンジは、真上から見ると、周りに大きな直径を持つ円形の溝があることがわかる。なので、世界中の大地にあるミステリーサークルのようにも見える。しかしこの遺跡は一体いつ誰が何のために建てたのかは、現在でも明確にわかっていない。しかし、ある研究チームの調査によると、4000年か5000年前に作られたのではないかと言われている。
発見された人骨
さらに、ここでたくさんの人骨が見つかったことから、この地は死者を葬るための埋葬地だったのではないかと推測されている。なお、サーセンの周りを囲むように人骨を埋めた穴が56個もあり、そこにはブルーストーンが立てられていたと考えられている。
さらに、地下には17もの神殿が眠っていた!
写真:調査団による発掘作業
研究が進むと、最新の金属探知機やレーダーなどを使って、深さ3mの地下の調査が行われた。すると、地上では気づけなかった新たな発見が見つかった。
地下スキャンでもっと詳しく
さらに研究が進み、地下スキャンを使って、もう一度深い地下の調査が行われた。すると、新たな発見があった。およそ6000年前に造られたと思われる、大規模な建造物が眠っていたのだ。それは17個にも及ぶ神殿や、亡くなった人を葬る埋葬としてある建物ばかりだった。なぜその上にストーンヘンジが造られたのだろうか。
円形に組まれた石は、他にもあらゆる役割を果たしていた
考古学者による、見解が浮かび上がっている
※写真はイメージ
さらに、ある考古学者は、先代の民族は以下に紹介する「役割」を果たすためにストーンヘンジを建てたのではないかと述べている。
星を観測する、天文台としての役割を果たしていた
夜空に浮かぶたくさんの星を観測する、天文台の役割を果たしてたのではないかという根拠は、遺跡自体が「夏至の太陽」に合わせて作られていることと、夏至の朝の太陽はストーンヘンジのちょうど中央を照らすことが、ある学者によって提唱されたことによる。
ケガや病気を治癒する、ヒーリングスポットとして
※写真はイメージ
先ほど紹介したように、ストーンヘンジからはたくさんの人骨が発掘された。その人骨を詳しく分析してみると、現地で暮らしていたイギリス人のみならず、ドイツ人やフランス人のものもあり、それには病気やケガを患っていた証拠も残っていた。だからこの場所は病気やケガを治癒するヒーリングスポットだったとも言われている。
出典:www.npr.org
宇宙との交信にも役立っていた
地球やたくさんの惑星が浮かんでいて、どれくらいの広さがあるのかわからない宇宙空間との交信を行うのにも、役立っていたのではないかと推測される。ちなみに宇宙に浮かぶ火星には、マーズヘンジと呼ばれる火星独自のストーンヘンジもある。
祖先を信仰、崇拝する
※写真はイメージ
ストーンヘンジでは、はるか昔に生きていた先住民を称えるための祭典も行われていたのではないかと推測されている。ちなみに遺跡を造っている大きな石は、祖先の魂を結び付けているとも言われている。
王の墳墓の役割も担っていた
※写真はイメージ
ストーンヘンジの地下から人骨が発掘されたことから、ここは日本の古墳やエジプトのピラミッドのように、王やその親族の人骨を納める墳墓だったのではないかと推測されている。規模は古墳やピラミッドのようにないかもしれないが、安らかに眠れることに変わりはない。
出典:www.npr.org
UFOの発着場だったのではないかと言われている
宇宙からやってきた未確認生命体・UFOが着陸するのに、ストーンヘンジが使われていたのではないかと言われている。これは全くの事実無根だが、UFOの離着陸に使われていたら、なかなか面白い。
イギリスのストーンヘンジの原型は、スコットランドにあった!
スコットランドのストーンヘンジ
スコットランドが所有する島・オークニー諸島にも、イギリスのストーンヘンジと同じような石の遺跡がある。この遺跡の最大の特徴と言えば、少し細くて白っぽい色の大きな石が、地面にしっかりと立っていることだ。
もう一つのストーンヘンジと言われる、エーヴベリーも見所が満載
世界七不思議及び世界遺産にも認められた、エーヴベリー
これまで紹介してきた不思議な名所・ストーンヘンジと肩を並べる遺跡であるエーヴベリーも、イギリス国内にあって、世界文化遺産にも登録され、堂々とした石の遺跡を務めている。その上上空から見るとミステリーサークルも刻まれているので、非常に素晴らしい。
ストーンヘンジとは異なる、独自の風景を醸し出している
このエーヴベリーも旧石器時代のストーンサークルを果たしているが、しっかりと立てられている石柱は極端に低いものもあって、本来のストーンヘンジと比べると形状が不ぞろいとなっているのが特徴である。
この大地には、放し飼いにしている羊も集まってくる
エーヴベリーの大地はのどかな芝生が広がっているので、そこら辺で放し飼いにしている羊たちも寄ってくる。そして羊はエサとなる芝生を美味しそうに食べるのだ。
日本の古墳やエジプトのピラミッドにも見える、シルベリー・ヒル
紀元前2600年あたりに建てられたと言われるエーヴベリーの小高い丘、シルベリー・ヒルは、40mもの高さがあり、まるで日本の古墳やエジプトのピラミッドのようにも見える。そしてなぜ建てられたのかは、未だにわかっていない。
ロンドンから、ストーンヘンジ観光へ向かうには
写真:ロンドンの街
イギリスの首都・ロンドンはビッグベンなどの時計塔を始め、素晴らしく整っている都会と言える。そこでの観光もよいけれど、やはり現在も謎に包まれたストーンヘンジも観光しておきたい。一見奇妙なストーンヘンジだけれど、空気が澄んだ緑の広い大地に大きな石がきれいに円形に並んでいる。それは決してロンドンの都会では味わえない光景なので、イギリス・ロンドンに旅行に来たなら、一度探訪してみてはいかがだろうか。
行き方は、電車とバスを乗り継いでいく
ロンドンからストーンヘンジへ向かう手段は、電車とバスを乗り継ぐまたはバスツアーという方法がある。ロンドン・ウォータルー駅から電車で、200kmほど離れたソールズベリーという町へ向かう。そしてソールズベリーは、ストーンヘンジ行きのローカルバスを運行しているので、それに乗ると目的地へ到達する。
シャトルバス乗り場も兼ねている、ストーンヘンジ・ビジター・センター
ストーンヘンジを訪れる前に立ち寄ってほしい場所が、このストーンヘンジ・ビジター・センターという施設である。凝ったデザインの建物の中にはストーンヘンジに関する博物館、カフェ、売店、トイレなどが完備され、ここから遺跡まで直行するシャトルバスも出ているのだ。
観光客向けのツアーも実施されている
初めてストーンヘンジを訪れる時は、イギリスに着いた後はどうやって行けばよいかわからなくなる恐れもある。そんな時は思い切って団体向けのツアーに参加するのも1つの手だ。