森のアイスクリームと揶揄されるほど美味しい「チェリモヤ」(カスタードアップル) <世界三大美果>
現在、甘くてみずみずしい果物は数多くある。その中でも、「チェリモヤ」というアイスクリームに匹敵するくらいの味を持つ果物で、日本では決して見られないような珍しさも秘めている。
現在、甘くてみずみずしい果物は数多くある。その中でも、「チェリモヤ」というアイスクリームに匹敵するくらいの味を持つ果物で、日本では決して見られないような珍しさも秘めている。
2018.10.4 UPDATE
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世界三大美果として重宝される果実、チェリモヤとは?
これがチェリモヤという日本では決して見かけない珍しい果実である
チェリモヤとは、一言で説明するとバンレイシ科バンレイシ属の果実となっていて、パイナップルやマンゴスチンと並ぶ「世界三大美果」と称されている。残念ながら日本では全く馴染みはないが、ぜひ一度は食しておきたい。
ペルーを始めとする南米の至る所にはチェリモヤが当たり前に売られている
チェリモヤの主な産地は、ペルーやエクアドル、さらにはアンデス山脈の麓が占めているので、南アメリカの至る所の路上マーケットで、当たり前に売られている。もちろん訪れた人や海外からの観光客も、その果実を買い求める。
数々の作品を執筆したアメリカの作家 マーク・トウェインも愛した
「トム・ソーヤの冒険」を始め、色んな小説や随筆を書き綴った作家、マーク・トゥエインも、チェリモヤを食べて、すごく美味しいと絶賛したのだ。
チェリモヤは古くから南米で栄えたインカの住民にも親しまれてきた
ペルーで栄えたインカ帝国で暮らす住民たちも、チェリモヤをこよなく愛してきた。ちなみに「チェリモヤ」という名前は、ペルー語で冷たい乳房という意味があり、アメリカではチェリモヤを「カスタードアップル」と呼ぶことが多い。
チェリモヤは、主にどこで栽培されているの?
チェリモヤの原産地は主に南米のペルーかエクアドルが当てはまる
主な原産地は、南アメリカのペルーやエクアドルが多い。赤道の下で生産されているとしても、チェリモヤは極端な寒さおよび物凄い暑さに弱い特徴がある。南米以外の原産地は、アメリカのカリフォルニア州、イタリアやスペイン、エジプト、イスラエル、レバノンがあげられる。ちなみに日本に流通するのはアメリカ・カリフォルニア産とチリ産が多い。
品種は1種類だけではなく、数種類もある!
出典:yandex.ru
指の先をいくつも押し付けてできた模様があるフィンガープリントタイプ
多くの人が知っているチェリモヤの形状が、このフィンガープリントタイプ。皮にははっきりとした鱗状の模様があって、その模様はまさに指を押し付けて付けたように見える。
あちこちに突起が出ていてまるでドリアンのような形にも見えるアンボネート
今度は外側に突起が突き出ていて、まるでドリアンのような形状に見える。種も従来のものに比べて多く、果肉にはほのかに酸味がある。さらに、「ボールウイン」「カンパ」「ビック・シスター」「ピアス(ピアース)」という品種が揃っている。
小さな突起が付いたうろこ状の皮で覆われているツゥバキュレート
今度の品種は、うろこ状の模様の先端部分がコブ状に突き出しているのが特徴。「エル・バンポ」「アット(アットー)」などの種類がある。
ちょっと青リンゴやスウィーティーのようにも見えるスムースという品種
見た目はまるで青リンゴやギュウシンリというバンレイシ科の果物のように見えるが、これだって立派なチェリモヤの仲間だ。外側の皮はつるつるしていて、鱗らしい特徴が全くない。
忘れてはならない、チェリモヤの栄養と効能
その白い果実には体によい栄養素がたくさん詰まっているのが特徴
チェリモヤの果実の主な栄養成分は、100gの可食部全体で求めてみると、葉酸が90mcg、カリウム230mg、ビタミンB6が0.23mg、ビタミンCが34mgもある。
チェリモヤには血液を作る働きを持つ「葉酸」が豊富に含まれ、貧血予防などに効果的。また、高血圧予防に効果のあるカリウムも比較的多く含まれている。
さらに、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6や、風邪予防に効果があるビタミンCも比較的多い。
何とチェリモヤは、家庭で簡単に育てられる!
種を発芽させて苗を作って植木鉢の中に入れて育てる方法も出ている
完全に熟した種を水に浸けて、沈んだものだけを選んで植木鉢に詰めた土にまいて、土が乾かないように水をかけ、日当たりのよい場所に置いておくとよい。ある程度成長したら広い畑に植え替えてからさらに育てる。
肝心なチェリモヤの熟し方!これを知らないとチェリモヤが台無しに!
きれいな緑色をしたチェリモヤは残念ながら熟してないので美味しくない
このチェリモヤの写真は、きれいな緑色をしていて、今からでも食べられそう!と思った方、実は若々しい緑のうちは、残念ながらまだ美味しくないのだ。今、市場で出回るチェリモヤは、ほとんどが外側がきれいな緑色のものばかりである。
熟すのに一番いい方法は新聞紙に包んで常温に置いておくことが当てはまる
実はチェリモヤは、木の上では完全に熟さないため、収穫してから追熟させる必要がある。まだ熟してない若い果実は、必ず新聞紙か紙袋に包んで、最適な温度と言える20前後の常温で保存させる。
中が基本的に冷たい冷蔵庫での追熟は全然進まないのでNGとなる
冷蔵庫などの極端に温度が低い場所では、果実が熟さなくなるため絶対そこで保存しないこと。ちなみにこれはアボカドの追熟でも言えることだ。
これが完熟してもう食べ頃になっているチェリモヤの目安となっている
皮が若々しい緑色からくすんだ茶色になり、持った時や指で軽く押すとにぐにゅっと柔らかさを感じたら食べ頃。(数日から一週間くらいが目安)このくらいにならないと、甘くなくて青臭い、固いチェリモヤを味わうことになる。
アイスクリームのような果実を、いよいよ食べる時が来た!
これはまさしく「果実が成すバニラアイス」という言葉がよく似合う
ナイフで縦半分に切り、スプーンですくってみると、まさにバニラアイスだ。そして、食べてみると、ただ甘いだけではなく、ほのかな酸味がある。さすが「森のアイスクリーム」や「カスタードクリームのような果実」と呼ばれるだけの価値はあって、食感も、まさにとろけるような柔らかさだ。そしてこの果実を冷蔵庫で冷やすと、より食感はアイスクリームに近づく。
チェリモヤを品種改良した果実「アテモヤ」とは?
高級な果物として知られているチェリモヤの親戚に近い「アテモヤ」
これは、釈迦頭(しゃかとう)というバンレイシ科の果実とチェリモヤを混合させた、よく似ている品種である。チェリモヤと同じように「森のアイスクリーム」と呼ばれているが、大きさ、味、食感、栄養などはチェリモヤをはるかに上回ると言われている。もちろん食べるための追熟も必要。(要領はチェリモヤと同じ)
何と先ほどのアテモヤは日本の沖縄や奄美大島で食べることができる
先ほど紹介したアテモヤは、南国らしさ満点の日本の県・沖縄や奄美大島で盛んに育てられていて、現地で当たり前に食べられている。なので沖縄・奄美大島を訪れた時は記念に食べてみるとよい。
そしてチェリモヤは、日本でもスペインでも栽培されている
和歌山県でもチェリモヤは栽培されて全国へ出荷されているというのが特徴
日本の近畿地方にある和歌山県でも、チェリモヤは栽培されていて全国へ出荷されている。ちなみに和歌山で育ったチェリモヤは、「粋豊(すいほう)」という品種になっている。
スペイン・南アンダルシアにもチェリモヤを育てている農園はある
西ヨーロッパの国・スペインでもチェリモヤは栽培されていて、現地の人に親しまれている。16世紀に南アメリカに訪れたスペイン人がこの果実を発見したことで、少しずつだが世界中に浸透していった。